マーケティングの手法は多様化しており、新しいジャンルが次々に生まれています。
動画マーケティングはインターネットの時代を代表する方法だといえるでしょう。
この記事では、動画マーティングについて詳しく解説します。
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1. そもそも動画マーケティングとは?手法や目的を紹介
1-1 動画によってネットユーザーに訴求する
広い意味での「動画」を使って、商品やサービス、自社の強みなどを訴求するマーケティング手法が「動画マーケティング」です。
サイバーエージェントの調査では、2018年には前年度対比で134%の市場成長率を見せるなど、動画マーケティングはビジネス界で急成長しています。
動画を掲載する媒体はさまざまであり、自社ホームページからSNS上まで、ネット上のいたるところで展開が可能です。すなわち、動画マーケティングはネットユーザーをターゲットにしているといえます。
いかにネットユーザーの気を引けるかは、動画マーケティングの成否を握る鍵となっています。
1-2 動画マーケティングの目的とは
さまざまな目的があるものの、動画マーケティングが急成長している背景には「スマートフォンと動画サイトの普及」が挙げられるでしょう。
スマートフォンが幅広い年代に使用されている状況は、人々とインターネットの距離感をさらに縮めました。
また、動画サイトはインターネットで無視できない媒体となっており、多くの大企業が公式チャンネルを開設しています。
爆発的に増えたネットユーザーの心をつかむには、動画コンテンツの制作が不可避となりました。
そして、業種や業態を問わず、多種多様な企業が動画マーケティングを事業に取り入れ始めています。
2. 動画マーケティングを展開するメリットとデメリット
2-1メリット
まずは、動画マーケティングのメリットを挙げていきます。
・豊富な情報量
動画広告では「視覚」「聴覚」の2つでネットユーザーに訴求できます。
このことで、視覚だけに訴えかける従来のネット広告よりも、はるかに情報量は増えるのです。
ユーザーはより具体的に商品・サービスを理解できて購買意欲をあおられるでしょう。
・拡散力
ネットユーザーは面白いものを「人に見せたい」と考えて行動します。
つまり、インパクトの強い動画広告はネット上で拡散される可能性が高いのです。
企業側から必死で宣伝しなくても、ネットユーザーに愛された動画は自然に広まっていきます。
・SEO対策
検索エンジンは質の高いコンテンツを優先的に上位表示させます。クオリティの高い動画広告はSEO対策としてもぴったりです。
2-2 デメリット
以下、動画マーケティングに潜むデメリットもまとめました。
・費用と人材不足
動画は誰もが作れるものではないので、専門のスタッフが必要です。
それに、ある程度の予算も確保しなくてはいけません。
それだけのお金をかけても結果が保証されているわけではなく、実現をためらっている企業は少なくありません。
・制作時間
動画を作るには脚本作りから撮影、編集、整音まで、さまざまなプロセスが発生します。
その間にトレンドが変わってしまうこともあるので、リアルタイムのネットユーザーに響かなくなるリスクもあります。
3. 最新情報はどうなっている?動画マーケティングのトレンド
3-1 インスタグラムの隆盛
動画マーケティングにおいて、拡散力の高いSNSは投稿先として重視されてきました。
そして、かつてはユーザー数の多いフェイスブックが動画マーケティングの主戦場でした。
しかし、世界的には徐々にインスタグラムへとネットユーザーの関心は移行しています。
画像や動画だけに特化したインスタグラムは気軽に楽しみやすいうえ、有名人のユーザーの投稿も注目を集めています。
人気モデルやアーティストの投稿から、特定の商品がヒットすることも少なくありません。
インスタグラムで見られる前提でのスタイリッシュな動画広告も増えており、隆盛の時代はしばらく続くと考えられます。
3-2 インフルエンサーとブランド・スポークスマン
動画マーケティングでは「インフルエンサー」と「ブランド・スポークスマン」が活躍しています。
インフルエンサーとは情報の発信源として重要な役割を担っているSNSユーザーやブロガーです。
タレントやスポーツ選手などの有名人に限らず、フォロワーの多いSNSユーザーもインフルエンサーになりえます。一方、ブランド・スポークスマンとは、あるブランドだけに専属している宣伝タレントです。
インフルエンサーよりも取り扱いが簡単なので、多くの企業が独自にブランド・スポークスマンを生み出しています。
インフルエンサーは主に動画の拡散で、ブランド・スポークスマンは撮影で、中心となる人物だといえるでしょう。
4. 動画マーケティングを企画・制作する際のポイント
4-1 目的に合った媒体を想定する
いざ動画を企画するにあたり、まずはターゲットを明確にしましょう。
そして、ターゲットに合った動画のストーリーやコンセプトを考えていきます。
投稿媒体も、コンセプトによって変わります。
仮にターゲットが若い女性だとすれば、登録者の多いインスタグラムを想定した動画を作るなど、根拠を持って制作を行うことが大切です。
具体性を持った長時間の動画を見せたいなら、SNSよりも動画サイトに載せるほうが賢明です。
このようにして、ある程度イメージが固まったら、プロの制作者に依頼してクオリティをさらに引き上げてもらいます。
依頼時にも、コンセプトや投稿先はしっかり説明するべきです。
4-2 ユーザーが知らない情報を提示する
動画広告の魅力は、商品・サービスの全貌を示せる点にあります。
さまざまな角度からのビジュアルや使い方、ぴったりのシチュエーションなどを動画なら盛り込めます。
注意したいのは、動画でなくてもイメージできる情報で内容を埋めないことです。
ネットユーザーはすでに知っている情報のために時間を割こうとはしません。
たとえ動画をクリックしてくれても「大体わかった」と感じた時点で視聴を止めてしまいます。
動画広告はユーザーの興味を引きつける工夫をしつつ、文字情報だけでは伝わらない映像を前面に押し出しましょう。
5. あの企業はどうしている?動画マーケティングの成功事例
5-1 日産
自動車メーカーの日産は、車に興味がない層を開拓するために動画マーケティングを取り入れました。
ターゲットと重なる一般人を主人公にしたドキュメント動画を制作し、ネット上で公開したのです。
「若い女性が日産の車に乗り続けたら買いたくなったか」「モテない男性が車に乗っていたらどうなるか」などの動画は反響を呼び、販売促進につながっています。自社商品の魅力をユニークなアイデアで示した事例です。
5-2 ダスキン
介護サービスも手がけているダスキンは、顧客へのサービス紹介動画で話題を呼びました。
動画自体は介護の現状やダスキンの強みを説明していくシンプルな内容です。
しかし、表現方法をアニメーションにすることで重苦しい雰囲気を避け、ネットユーザーが気軽に見られるようになっています。
この動画が発表されてから、ダスキンへの問い合わせは急増しました。
動画広告はサービスに関心があっても一歩を踏み出せない見込み顧客の後押しをしてくれます。
5-3 映画宣伝
近年の映画宣伝では、動画サイトで実際の内容を一部先行配信する手法が目立っています。
たとえば、大ヒット作の「アベンジャーズ/エンドゲーム」は冒頭の数分間を公開に先駆けてネットで解禁しました。
その結果、ネットユーザーの話題を呼んで映画の記録的な集客につながっています。
イベントや作品の宣伝では、動画広告によって魅力を先に見せてしまうのもひとつの方法です。
6. 動画マーケティングを押さえて商品の魅力を広めよう
具体的に商品・サービスの魅力を伝えられる動画マーケティングはネットユーザー向けの宣伝活動として外せなくなりつつあります。
それに、優れた動画コンテンツはネットユーザーが自主的に広めてくれるので、ますます拡散力が高まります。