最近は、社会にインターネットが普及した背景もあり、テレビCMだけでなく、以前よりもFacebook広告やYouTube広告、バナー広告といった、企業や商品の宣伝広告を多く目にするようになったのではないでしょうか?
その1つ1つの広告の裏側には、「マーケティング戦略」というものがあり、企業がお客様に自社の商品やサービスを購入してもらい、リピーターになってもらうための施策が組み立てられています。
ただ、「マーケティング」という言葉は聞いたことがあっても、実際に「マーケティングとは何か?」という質問をされると、人によって、
「リサーチすること」「広告宣伝すること」「データを分析すること」「集客すること」「販売までの全体の流れを作ること」
など、さまざまな答えが返ってくることと思います。
では、「マーケティング」とは簡単に言うと、どういったものなのでしょうか?
この記事では、マーケティングのことを簡単に理解し、本質をつかめるように説明して行きます。
1.マーケティングとは
ウィキペディアで「マーケティング」を調べると、
『マーケティング(英: marketing)とは、企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念である。また顧客のニーズを解明し、顧客価値を生み出すための経営哲学、戦略、仕組み、プロセスを指す。』
とありますが、この文章だけを読むと、理解するには難しいように感じてしまいます。
では、ここでもっと噛み砕いて簡単に「マーケティングとは何か?」をお伝えすると、
「見込み客に望んだ行動をとってもらうための階段(ステップ)を作ること」
です。
例えば、あなたの家にいきなり「ピンポーン!」と営業マンが訪ねてきて、
「この商品、ものすごく良いので100万円で買ってください!」
と言われても、あなたは商品を買わないと思います。
もしも、100万円の商品を売りたいのであれば、あなたの悩みや望みをよく理解し、その上で、
”この商品がどのようにあなたにメリットを与え、どんな未来をもたらしてくれるか?”
というのをイメージさせてもらう必要があると思います。
さらにそこから、商品の購入に至るまでには、お金の工面やその商品を扱う時間、家族の反対など、様々な障害を取り除いていく必要があります。
その購入までの過程を戦略的に仕組み化していくことが、マーケティングになります。
もっとわかりやすく例えると、マーケティングは恋愛から結婚に至るまでのステップに似ているかもしれません。
好きな子に、いきなり「結婚してください!」と言っても断られる確率は高いです。
ですので、結婚してもらうまでには、
相手の好みをリサーチする → 自分がその好みに近づけるように努力する→ 仲良くなる→ 告白をする → 付き合う → 手を繋ぐ → キスをする・・・
といったように、しっかりとしたステップを踏んでいく必要があります。
いきなり高いステップを相手に突きつけるのではなく、初めは低いステップから徐々に階段をのぼってもらうことが大切ですね。
では次に、具体的にマーケティングのステップを説明していきましょう。
2.マーケティングを組み立てるステップ
2−1.ステップの全体像
マーケティングとは、
「見込み客に望んだ行動をとってもらうための階段(ステップ)を作ること」
と、理解をしてもらったら、次は「どういう順番でそのステップを作っていくのか?」を説明していきます。
まずはじめに、その流れをお伝えすると、
「1.商品づくり→ 2.認知→ 3.興味→ 4.信頼構築→ 5.行動」
になります。
詳しくすると以下の通りです。
1.市場調査を行い、お客様となるべき人(見込み客)の願望や悩みを解決するものを作る
2.広告やメディアを使って、その商品を知ってもらう
3.その商品が自分にとってプラスになるものだと興味を持ってもらう
4.その商品が、本当に願望や悩みを解決するものなのかを信頼してもらう
5.しっかりと信頼構築ができて初めて購入
この5つの順番でマーケティングのステップを構築していきます。
2−2.BMWのマーケティングステップ
それでは例として、有名な車の会社であるBMWのマーケティングのステップを見ていきましょう。
1.商品づくり
時代の流れや見込み客のニーズを調べ、新しい車のモデルを開発する
2.認知
テレビCMや雑誌、看板広告などを使って、新車モデルが出たことを、世間の人に知ってもらう
3.興味
さらに広告の中では、ターゲット層と似た年代のモデルなどを使い、「自分がBMWの新車に乗っている未来」をイメージさせ、興味を持たせる
4.信頼構築
資料請求をしてもらい、試乗会への招待をして、実際に車を体験してもらう
5.行動
何百万以上の支払いをしてもらって購入
以上の流れがざっくりとしたBMWのマーケティングの流れになります。
もちろん、もっと細かく戦略を見ていくと、たくさんの施策が見えてくると思います。
でも実際の大きな流れを意識して見ると、マーケティングというものがどういうものか、見えてきたのではないでしょうか?
このようにマーケティングの本質を理解していけば、誰でもマーケティング戦略を構築していくことが可能になってきます。
次は、個人で広告資金がない人がどのようにしてマーケティングステップを踏めば良いかの例をお伝えしたいと思います。
3.広告資金がない人のためのマーケティングステップ
BMWなど大企業のマーケティングだけを見ると、
「CMや広告を出すお金がないから私には無理だ…」
と思う人もいるかもしれません。
でもマーケティングの本質さえ理解していれば、資金がなくてもマーケティングの仕組みを構築していくことは可能です。
特に現代は、SNSやワードプレスなど、無料で使えるメディアがたくさんあります。
それをうまく活用すれば、資金ゼロの状態からでもお客様を作り出すことが可能になってきます。
例えば、広告費ゼロででできるマーケティング方法としては、
- インスタグラム
- Line@
- メールマガジン
- Facebookメッセンジャー
- ワードプレス
- 朝会、ランチ会の開催
- 勉強会、趣味会のコミュニティ運営
- 口コミの依頼
などなど、考えられものはたくさんあります。
それではこの中の方法を使って、実際にマーケティングステップに合わせて説明していきます。
1.友人知人や、SNSでつながったユーザーにアンケートなどを取り、市場調査を行い商品をつくる(認知)
2.Facebookなどの無料SNSで、お客様になりそうなユーザー(見込み客)を友達として繋がり、自分の個人ページや投稿から商品を知ってもらう(認知)
3.さらに、繋がっているユーザーにとってメリットを打ち出す投稿や、個人ページをブランディングして、内容を読んでもらう(興味)
4.さらに詳しい情報をお届けするために、メールマガジンやLINE@といった情報発信媒体に登録してもらい、そこから商品のことや自分のことを知ってもらう(信頼構築)
5.商品販売ページへの誘導や、相談会などの招待で行動を促し、商品を販売する(行動)
以上のようなステップを踏めば、広告費が一切ない状況であっても、マーケティングのステップを組み、より多くの人をお客様に変えていくことができるでしょう。
4.まとめ
「マーケティング」と聞くと、どうしても、「難しい」「専門家の仕事」といったイメージを持ってしまいがちです。
でも、本質の部分である
「見込み客に望んだ行動をとってもらうための階段(ステップ)を作ること」
ということさえしっかりと理解してもらっていれば、誰にでも扱うことのできるものになります。
そう考えてみると、ビジネスだけでなく、普段の生活や人間関係、様々な分野で、無意識に私たちはマーケティングを行っているのかもしれませんね。
この記事でマーケティングのことを少しでも理解してもらえたなら、これからは今まで無意識にとらえていたものも、
「どうやって商品購入までのステップを作っているのかな?」
といったマーケティングの視点に立って、社会を見てみてください。
そうやって意識することで、今まで苦手意識を持っていたものが外れ、今度は新しい視点で、楽しみながらマーケティングを考えてもらえればと思います。