こんにちは「あつし」です。
私は東京大学大学院を卒業した後、5年間化学系の外資メーカーに就職して起業・独立しました。
その後、75人の会社を経営するようになりました。
今日は、私が営業職を人生で1度は経験したほうがいいと思うその理由についてお話していきたいと思います。
そして私自身も営業職として長年やってきましたので、営業の極意についてもお話していきたいと思います。
私自身は、東京大学大学院で化学の研究をしていました。
いわゆる化学者・研究者です。
その中で会社に「どうしても!」とお願いして営業職に就かせていただきました。
実際、営業職にいって本当によかったなと今でも思っています。
今日は、その理由についてお話していきたいと思います。
この記事を読んでいただくと、営業職をやっている人は「あ!やっぱり営業職はこういうことを頑張らないといけないんだ!」「もっと営業力を身につけないといけないな!」ということがよくわかると思います。
そして営業したことのない人も「あ!こうやれば営業ってできるんだ!」「営業のコツはこういうところにあるんだ!」ということがわかりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
1. 研究者をやめて営業になった理由
それではまず最初に、私が研究者をやめて営業になった理由からお話していきたいと思います。
1-1. 東大研究室で毎日研究
私は東京大学の大学院で、化学の研究をずっとしていました。
それこそ毎日フラスコやビーカーを振って、寝ないで研究に明け暮れるような日々を過ごしていました。
なので研究者としての知識には自信がありますし、本当に化学の知識をたくさん身につけたと思っています。
当然ですが化学メーカーに就職活動をしていて、化学メーカーで就職が決まったときには研究職採用となりました。
それで研究室に就職する予定だったのですが、いろいろ考えまして実際に大学院を卒業して就職をする時期になってきたときに、やっぱり営業職になろうと思うようになりました。
そこから採用を決めてくれた人事の人にお願いをして、「お願いです。営業職に移してください」と伝えました。
人事の人もびっくりしていまして、東京大学大学院の研究までしていた人をせっかく採用したのに、その人を研究室ではなくて営業職にいかせるなんてそれは困る!というふうに思ったみたいで、なかなかYESとは言ってくれませんでした。
「せっかく研究をやってきたんだし理系で勉強してきたんだから、研究職をやったほうがいいんじゃないですか?最初は研究職から入ったほうがいいんじゃないですか?」と言われたのですが「私は絶対にもう営業しかやりたくないです!もし営業職にいけないのだったら、採用を辞退させていただきます!」というところまで言いました。
そのぐらい、営業職にいこうと思っていました。
1-2. 研究職採用から営業職へ
それでも人事の方はなかなかOKしてくれなかったのですが、その当時は2008年リーマンショックが起こった年でもありました。
リーマンショックが起こって、内定取り消しが起こってしまう会社もあったぐらい経済が悪化していきました。
なのでその中で私の就職先の会社も研究職の人員がそこまで必要になくなってしまって、「営業職にいっていいですよ」ということを了承いただいてラッキーにも営業職にいくことができました。
営業職は文系の方のほうが多くてなかなか理系で研究をやっていた人がいく場所ではなかったのですが、なんとかOKしてくれてその営業職にいくことができました。
私自身もせっかく理系にいって研究室までいったのにその力を使わずに営業職になったので、0からまた頑張っていかなくちゃいけないことになりました。
ですがそれでも構わないと、0からでもいいから営業職で営業力をつけたいと思って営業職にさせていただきました。
1-3. 社長は誰がなるのか?
そう思った理由がありまして、最終的に社長は誰がなるのか?を就職前に考えたんですね。
その会社のことをよく調べていくと、社長や経営陣などの偉い人たちはもちろん理系の研究室出身の方もちょっとはいたのですが、多くの方は文系で営業職を経験してマーケティング職を経験して昇進していった人が多かったんですね。
そういうことを考えると、研究職で研究しかできなくなるよりも営業職にいっていろいろな職場を経験して会社の中枢の仕事に関わっていって偉くなっていかないと社長になれないなと私はそのとき思ったんですね。
なので最初に研究職で入るよりも、最初から営業職で入って理系の技術力も強みにしながらやっていったほうがいいなと思って、そのときは営業職を志望しました。
1-4. 大学院卒の悲しい現実
大学院卒の悲しい現実があります。
私も大学院を卒業だったのですが、大学院にいっているので2年間人よりも多く勉強していてそれなりにお金もかかっています。
就職の際はほんのちょっと大学院卒のほうが給与が良かったのですが、結局最初ちょっといいだけで何年か経っていくと結局それはあまり差がなくなってきたり逆転されてしまっているもので、あまり大学院卒のメリットってないなと思いました。
日本では特に、研究職みたいな理系の技術者の評価がそんなに高くないと私は思っています。
そして大学院で長く勉強して頑張ってきたからといってそれが大きく有利になるということではなくて、社会に出たらよーいどん!スタート地点0から始め!の状態なので、大学院で2年間頑張ってきたからといってそれにしがみついて研究職・理系の職場にいくよりは、それはそれ!と考えて最初から自分のやりたいことをやったほうがいいのかなというふうに思っています。
私は無事営業職に就職することができたのですが、営業職を経験して本当によかったなと今でも思っています。
2. 営業職を経験したほうがいい理由
社長になって、今社員を抱えていてもやっぱり営業のスキルってすごい大事だなと思っています。
なので営業職を経験したほうがいい理由をお話していきたいと思います。
2-1. 起業して一番役に立ったのは営業の技術
私自身起業して一番役に立ったのは、営業の技術だったかなと思っています。
起業当初って一番大切なのは、最初のお客様を見つけていくことなんですね。
会社というのは契約を取らずに売り上げを上げないと当然潰れてしまいますし、逆に売り上げさえ上げていればなんとか次につながっていくところがあります。
起業当初は、特にそうだと思います。
なので、そのときに営業できません。お客さんを取りません。と言ったら、その会社はすぐに潰れてしまいます。
なので起業して最初の最初で一番役に立つのは、営業する力だったりします。
私も大いに営業で培った力が役に立ちました。
2-2. 営業ができない社長は少ない
私自身がこうやって社長になって他の社長さんと話していても、他の社長さんもみんな営業力がありますね。
営業が全くできませんという社長さんって、ほとんど会ったことがないと思っています。
社長さんはみんなコミュニケーション能力もありますし仕事も自分で取ってくる方が多い印象があるので、社長になる人や起業を目指す人だったら特に営業力は必要だと思います。
もちろん会社に勤めている人でも上のポジションになってくる人、経営陣や社長になってくる人は営業力を求められますので、上に立つ立場になりたい人に対しても営業ができない人は少ないかなと思います。
2-3. 金銭感覚が身につく
そして営業をやって一番良かったなと思うことは、金銭感覚が身につくことです。
営業で言うと「いくらで商品を販売して、原価がいくらで、そうすると利益がこのぐらい出るからなんとか社内でも説得してこの製品を作ってもらえるな」と、そういうふうな計算が成り立っていきます。
これを常日頃から考えているので、なるべく利益を上げないといけないとかなるべく売り上げを大きくしないといけないという金銭感覚がつきます。
これって大きい会社だと営業をやっていないと身についていかないスキルだと思うので、非常に大切なスキルだと思います。
大きい会社の営業以外の部門にいた人は金銭感覚がなくて、それで会社が成り立つのかどうかを考えずにいろいろな物事を進めてしまいます。
なので小さい事業をやるときや自分の会社をやるときに、うまくいかないケースが多いかなと思います。
なので大きい会社にいてもどんな職種にいても、営業にいると金銭感覚がつくので営業職のメリットはそこに1つあります。
2-4. 営業は人生の総力戦
そして営業は、人生の総力戦を繰り広げているんだと思います。
商品力やサービス力で差がすでにあって、マーケティング力があって、営業を頑張らなくても売れるような状況だったらいいです。
しかし大概の場合は競合製品があるわけで、競合製品との差別化もちょっとはあるんだけどそんなにすごく決定的なものでない場合は、営業は頑張んなくちゃいけないですね。
じゃあ営業はどうやって頑張るかというと、営業力だけじゃないんです。
自分の人生で培ってきた経験や知識などをフル活用して、総力戦を繰り広げないといけないのかなと思っています。
その営業担当の魅力につながっていくんだと私は思っています。
私自身も最初営業職に就いて間もない頃に、お客様となりそうな化学メーカーをすごく探して「あ!ここだったらうちの商品を買ってくれるかもしれない!」というところに代表電話から電話をしました。
そして担当者もしくは購買部という商品を買ってくれる部署の担当者になんとか電話をつなげてもらって、なんとか言ってアポを取って営業に行くということをやっていました。
そのときは向こうも別に来て欲しいわけではないので、かなり高圧的な態度だったり冷たい態度をとられることってよくありました。
「本当はお前みたいな何もわかんないやつと会う気はなかったんだけど、しょうがないから今日は会ってやるよ」みたいな感じで上から話を聞いていただくこともありました。
そのときに商品の良さを説明したって対してそういう場合は聞いてくれないので、一生懸命いろいろな雑談をしていきます。
そのときは、私が外資系の化学メーカーに入って一生懸命英語を勉強した話をしました。
「そこら辺の街を歩いている外国人に話しかけて、英語で会話をしてもらって一生懸命英語が話せるようになったんですよ!」みたいな話をしたらそれに興味をもってくれて、「俺も英語勉強したいんだけど良い勉強法ない?」みたいな感じから始まりました。
その後「こういうサイトの掲示板を使えば、英語で話せる友だちができますよ!」とか「僕はこういう本を買ってやっていました!」みたいなことを一生懸命伝えました。
そしたら相手の人も私のことに興味をもってくれて信頼してくれて、最終的に「じゃあお前のところの買うよ」みたいな感じで商品を買ってくれることもありました。
そういう意味では商品性だけではなくて、自分自身の人生から来るいろいろなもので営業ってアピールしていかなければいけないので、営業は人生の総力戦を経験できる職場かなと思っています。
2-5. 頭が良くなる
営業っていろいろなことを一気に考えなくちゃいけないので、どんどん頭が良くなってくると思っています。
例としては、次のようなことを考えます。
- 営業のための資料を作らないといけない
- 営業のための戦略を立てなければいけない
- 課長や部長に説明して承認をもらうための戦略を立てなければいけない
- 営業のスケジュールを立てなければいけない
- 社内での交渉をしなければいけない
- 配送の手配を考えなければいけない
しかもこれらを営業しながら考えなくちゃいけないという意味では、本当にたくさんのことを考えるので考える力がついていって頭がどんどん良くなっていく印象はありました。
営業職の良いところであるかなと思っています。
2-6. 交渉力は人生を変える
そして営業職でつく「交渉力」、これはすごく大切な力です。
私は交渉力が人生を変えると思っています。
交渉というのは営業の場だけで起こるわけではなくて、いろいろなところで交渉しなくちゃいけないことがあります。
例えば社内の製造部門と交渉するとか、社内の物流部門と交渉しなくちゃいけないとか、社内で上司と交渉しなくちゃいけないということも起こってきます。
これは職場が変わって私自身が社長になってからもそうなのですが、今でも社内で部下と交渉しなくちゃいけないこともありますし、採用するときも交渉力っていうのは必要になってきますし、週末ゴルフに行きたいなと思ったら妻と交渉しなくちゃいけないので、交渉っていうのはいろいろな場面で必要になってきます。
常に必要なものになってくるので、交渉力があると人生ってかなり効率よく豊かになっていきます。
なので交渉力は人生を変えていきますし、それを鍛えられるのが営業職だなと思います。
なので私自身は営業職をやっておいてよかったなと、やったほうがいいなと思っています。
続きは後半でお話したいと思います。
後半はこちら
【社長が考える】営業職を一度は経験したほうが良い理由と営業の極意①