LINE公式アカウントには「プッシュ通知」という機能が備わっており、スマホを使用しているユーザーに素早く適切なタイミングで情報を届けられます。ただLINE公式アカウントを使っている方のなかには、まだプッシュ通知をうまく活用できていない、もしくはプッシュ通知の存在自体も把握していない方がいると思います。
この記事では、プッシュ通知の概要からメリット・デメリットを紹介していきます。記事後半ではプッシュ通知で成果を出すコツも紹介していますので、LINEを使った集客に成功したい方はぜひ最後まで読んでみてください。
1. LINE公式アカウントのプッシュ通知とは?
LINE公式アカウントのプッシュ通知とは、LINEのアプリを開いていなくてもスマホのバナーに情報を表示させられる機能のこと。新作の発表やセール開催時期に合わせてプッシュ通知を配信することで、ロック画面やホーム画面からユーザーを集客できます。
ユーザーの視認性の高い位置に通知を送れることから、メールなどに比べて読まれる可能性が高いことが特徴的です。
2. LINE公式アカウントでプッシュ通知を使うメリット
LINE公式アカウントでプッシュ通知を使うことには、いくつかのメリットがあります。
どのようなメリットがあるのかを把握し、自社に導入すべきか検討してみてください。
2-1. ユーザーとの接点が増え情報を届けやすい
まず第一に、プッシュ通知を使うことでユーザーとの接点が増え、情報を届けやすいメリットがあります。
メールの場合セール情報やクーポンを配信しても、ユーザーはメールボックスを開いてメールを開封しなければ情報を取得できません。したがって自社に興味があるユーザーやファン以外とは、なかなか接点をもつことが難しいです。
対してプッシュ通知はセール情報やクーポンを配信すれば、半強制的にユーザーのバナーに通知を届けられます。したがってユーザーに手間をかけさせることなく自社の情報を届けられ、接点を増やせると共に確実に自社の情報を届けられます。
「顧客との接点を増やしたい!」「自社の情報を確実に届けたい!」と考えている方には、プッシュ通知は有効です。
2-2. 開封率を高めやすい
LINE公式アカウントのプッシュ通知は、開封率を高めやすいことも特徴です。
メールの場合は自社からメールを送信しても、ユーザーのメールボックスには「1」や「2」と件数が表示されるだけ。たとえユーザーにとって興味のある情報を発信できていても「開封率が上がらず成果が出ない…」なんてことはよくあります。
対してプッシュ通知の場合はユーザーの目につく位置に情報を表示できますので、興味をひくことさえできれば詳細情報にアクセスしてもらえます。
このようにプッシュ通知はメールやDMに比べてユーザーとの接点を簡単に作れますので、基本的には開封率が高くなります。
メールやDMで成果があまり出ていない方でも、プッシュ通知であれば集客に成功できるかもしれません。
2-3. 購買意欲の高いタイミングで配信できる
プッシュ通知は好きなタイミングで配信できますので、ユーザーの購買意欲が高い時期を狙って通知を届けることもできます。
例えば「春のセール」を開催するのであれば、春の時期に合わせて通知を送ることも可能。「ランチのお得情報」であれば、お昼時を狙って通知を届けることもできますね。
このように通知を好きなタイミングで送れることも、プッシュ通知のメリットと言えます。
トレンド感のある情報を定期的に配信している方は、プッシュ通知は非常に便利な機能と言えるでしょう。
3. LINE公式アカウントでプッシュ通知を使うデメリット
これまではLINE公式アカウントでプッシュ通知を使うメリットを紹介してきましたが、場合によってはデメリットが生じることもあります。
これからデメリットも合わせて紹介していきますので、プッシュ通知を使うか迷っている方はぜひ目を通しておきましょう。
3-1. ユーザーに不快感を与えてしまう可能性がある
高い頻度でプッシュ通知を送ってしまうと、ユーザーに不快感を与えてしまう可能性があります。
ユーザーとしては、必要なタイミングに必要な情報が送られてくることは有益だと感じます。ただし必要のないタイミングに余計な情報ばかりが送られて来る場合には、プッシュ通知を邪魔に感じてしまいます。
自社の情報を届けたいからといってユーザーの気持ちを考えていないと、顧客離れを引き起こしてしまうかもしれません。
3-2. 最終的にブロックされてしまうことも…
プッシュ通知が原因でユーザーに不快感を与えてしまった場合、そのままアカウントをブロックされてしまうこともあります。アカウントをブロックされてしまってはメッセージが届かないどころか、自社に興味をもってくれていたユーザーを1人失うことにもつながります。
せっかく獲得した顧客を失わないためにも、プッシュ通知は適切に使うことが重要です。
4. LINE公式アカウントでプッシュ通知を活用している企業事例
LINE公式アカウントでプッシュ通知を導入している企業事例をいくつか紹介していきます。
それぞれの企業がどのようにプッシュ通知を使っているのか、ぜひ検討してみてください。
4-1. ユニクロ
日本を代表するアパレルブランド「ユニクロ」もLINE公式アカウントのプッシュ通知を活用しています。
ユニクロのプッシュ通知では新作情報やお得情報が配信されており、ユーザーはお買い得な時期をキャッチできます。またユニクロは他のブランドとコラボすることも多く、コラボ商品の発表時期にもプッシュ通知が配信されます。
ユニクロはLINEで会員IDを作ったりもしていますので、うまくLINEを活用できている事例と言えるでしょう。
4-2. テレビ東京
「テレビ東京」もLINE公式アカウントのプッシュ通知を利用しています。
テレビ東京のプッシュ通知では番組やイベント情報などを発信していますので、テレビ東京に気になる番組がある方は興味のある番組をキャッチできます。またプッシュ通知が送られてくることで番組を見逃すことも防げますので、見逃し防止にもつながります。
テレビ東京の場合はユーザーにとってお得な情報を届けるというよりは、新しい情報を届けるためにプッシュ通知を利用していると言えるでしょう。
4-3. マイプロテイン
イギリス発のスポーツ栄養ブランド「マイプロテイン」もLINE公式アカウントのプッシュ通知を活用しています。
マイプロテインは毎月大幅な値下げセールを行っているのですが、このセールのタイミングでプッシュ通知が届きます。ユーザーとしてはプッシュ通知を見ることでセールに参加でき、お買い得に買い物できるようになっています。
プッシュ通知の配信頻度は月1回から2回ほどですので、それほどユーザーに不快感を与えていないことも特徴的です。
5. LINE公式アカウントのプッシュ通知で効果を出すコツ
これからLINEのプッシュ通知を使おうと思っている方に向けて、プッシュ通知で成果を出すコツを紹介していきます。
基本的なことからテクニック的なことまで紹介していますので、プッシュ通知を使う際はぜひ参考にしてみてください。
5-1. 自社に最適な配信時間・配信頻度を見つける
プッシュ通知を使う際は、自社の顧客にとって最適な配信時間・配信頻度を把握するようにしましょう。
先ほどもお伝えした通り、不必要なタイミングでのプッシュ通知は顧客離れを引き起こします。そのため自社の顧客にとって「どのようなタイミングで通知が送られてくると嬉しいか?」「頻度はどれくらいが適切か?」ということを考えるべきです。
例えばアパレル事業を営んでいる場合には、新作の追加時期やセール時期にプッシュ通知を送るのが適切です。これがアパレル事業なのに毎日のようにプッシュ通知を送ってしまうと、ユーザーとしては不快に感じてしまうかもしれません。
逆にスーパーやドラッグストアなどの小売業であれば、その日のお得情報を毎日配信したほうがユーザーとしては嬉しいと思います。これが毎日お得情報が入れ替わっているのに月一回しかプッシュ通知が送られてこなければ、ユーザーとしてはもっと配信頻度を増やして欲しいと思うはずです。
このように業種・業態によってプッシュ通知の適切な配信時間や配信頻度は異なりますので、顧客の意見に耳を傾け自社にとって適切な配信方法を見つけていきましょう。
5-2. 絵文字は使わず「テキスト一言型」でテキストを作る
プッシュ通知のテキストを考えるときは、下記の3つが基本的な形となります。
- テキスト+URL
- テキスト+記号・絵文字
- テキスト一言型
おすすめは「テキスト一言型」です。
「DIGIFUL」の調査によると、プッシュ通知の開封率がもっとも高いのはテキスト一言型の「58%」です。ビジネスアカウントと認識されづらい点や詳しい情報が気になる点などが、開封率に影響を与えていると考えられています。
派手に装飾したりすべての情報を記載してしまうと開封率を下げてしまう可能性が高いので、まずはテキスト一言型からスタートして自社向けに微調整していくことをおすすめします。
5-3. 少ない文字数で情報をコンパクトにまとめる
プッシュ通知のテキストを考えるときは、できるだけ少ない文字数でコンパクトにまとめることを意識すべきです。
LINE公式アカウントのプッシュ通知で表示できる文字数は100文字程度。ゆえに文章を助長してしまうと、本当に伝えたい情報が入りきらなくなってしまいます。
また余計な情報ばかりの文章はイメージがしづらくなります。結果的にユーザーの興味をひくことにも失敗してしまいますので、開封率の面からも文字数は少なくしてキレのある文章を意識すべきです。
プッシュ通知に表示するテキストを考えたら一度読み直しをして、不必要な単語や表現をできるだけ削るようにしましょう。
5-4. ユーザーが興味をひくような言葉を選ぶ
プッシュ通知のテキストを考える際に、ユーザーが興味をひくような言葉を選ぶことも重要です。
人は自分にとって興味のある単語・言葉を目にしたときに、その周辺の文章を注意深く読む傾向にあります。この特徴から上限100文字のテキストのなかに興味のある単語を散りばめておけば、ユーザーはプッシュ通知自体に興味をもってくれますし、テキストもしっかり読んでくれるようになります。
このユーザーが興味をひく言葉は、ユーザーの属性によって異なります。
例えばグルメに興味があるユーザーであれば「5つ星」や「ミシュラン」といった言葉に興味をもつかもしれません。子供をもつご家庭であれば「安全」や「安心」などのキーワードが刺さるかもしれませんね。
このようにユーザーの属性によって興味をひく言葉は異なりますので、いままでの経験や競合のコピーから効果のありそうな言葉を抜き出してみましょう。
5-5. 詳細情報を知りたくなるようなコピーを考える
プッシュ通知のテキストにすべての情報を記載してしまうと、プッシュ通知の内容だけで全容を理解してしまい開封率が下がる傾向にあります。そのためプッシュ通知のテキストにはユーザーの興味をひく内容だけを入れ、具体的な情報はリンク先で紹介するようにしましょう。
5-6. 受け手の気持ちになってみる
売り手側が作成したら文章は、どうしても売りつけ感が強く出てしまうもの。このようなコピーでは読者は引いてしまいますので、うまく詳細情報まで誘導できません。
上記の失敗をしないために、プッシュ通知のテキストを作成したら受け手の気持ちになって読み返してみるのがおすすめです。受け手の気持ちになって読み返してみることで、改善したほうがいい表現が見つかったり客観的に詳細情報を開封したくなるかを判断できるようになります。
もしほかの人に読んでもらえるなら、ほかの人に読んでもらい感想をもらうのもいいですね。
プッシュ通知のテキストを作成する際は、客観的な視点から読み直しをする習慣を作りましょう。
6. まとめ
この記事ではLINE公式アカウントのプッシュ通知について、メリットやデメリットを紹介してきました。
プッシュ通知はメールに比べてユーザーと簡単に接点をもてますので、定期的に情報発信をしている方にとっては非常に魅力的な機能です。
まだプッシュ通知を導入していない場合には、ぜひ活用することをおすすめします。