マーケティングの世界では、発信力を高めることが肝心です。
そこで、各社が注目し始めたのは「インフルエンサー」と呼ばれるキーマンです。この記事では、インフルエンサーの意味やマーケティング面での関わり方について解説します。
1. インフルエンサーとは?
まずは、インフルエンサーの意味を正しく知るところから始めましょう。
1-1 影響力のある人物を「インフルエンサー」と呼ぶ
インフルエンサーとは「影響力の強い人物」を指す言葉です。かつては、芸能人やスポーツ選手など、知名度が高くてファンの多い人物をインフルエンサーと呼んでいました。
しかし、インターネットの浸透によってインフルエンサーの定義は微妙に変わりつつあります。
現代では、SNSのフォロワーが多かったり、動画サイト運営者で登録者がたくさんいたりする人物をインフルエンサーと形容するようになりました。
1-2 インフルエンサーの発信力が重要
どうしてマーケティングにおいてインフルエンサーとの連携が重要なのかというと、インフルエンサーには発信力があるからです。
インフルエンサーによっては、企業以上の影響力を持っていることも珍しくありません。
彼らが商品・サービスを褒めればネットユーザーは信用してくれます。
しかも、インフルエンサーの言動は常に世間の注目を集めているので、宣伝はすぐに拡散されます。
Webマーケティングが一般化している時代では、自社に合ったインフルエンサーを見つけることが課題になりつつあるのです。
2. インフルエンサーマーケティングにはどんなメリットがある?
企業がインフルエンサーを宣伝活動に迎え入れることを「インフルエンサーマーケティング」と呼びます。
インフルエンサーマーケティングには、従来の宣伝活動にはなかったメリットがたくさんあります。
2-1 拡散力とコスト削減が期待できる
インフルエンサーマーケティングは拡散力とコスト削減の両面において効率的です。以下、具体的に説明していきます。
2-2 ターゲット層
インフルエンサーのフォロワーやファンはターゲット層がはっきりしています。
たとえば、20代のカリスマ女性モデルであれば、同世代の女性層から支持を得ているでしょう。
つまり、企業は自社製品のターゲット層と重なるファンを持つインフルエンサーを見つければ、ピンポイントで商品・サービスを訴求できるのです。
2-3 費用
インフルエンサーマーケティングの基本は、インフルエンサーに商品を紹介してもらうことです。
お金をかけて動画やチラシを作る必要はありません。
インフルエンサーに何らかの報酬は発生するものの、総合的には宣伝費用を抑えられます。
2-4 口コミ
通常の宣伝では、口コミの質まで企業側がコントロールできません。
しかし、インフルエンサーが媒体となった宣伝に関しては、ネットユーザーは高い共感性を示してくれます。
悪質な口コミが生まれる確率は減り、ポジティブな意見が拡散されやすくなるでしょう。
3. インフルエンサーマーケティングを進める手順は?
この段落では、実際にインフルエンサーマーケティングを行う際の手順を説明します。
3-1 結果が出るまでがマーケティング
インフルエンサーに宣伝を丸投げするのは厳禁です。宣伝の結果を解析するまでがマーケティングなので、一連の流れを意識しながら進めていきましょう。
3-2 媒体を見極める
まずは、商品・サービスを広めるために適した媒体を見つけることから始めます。
グルメやファッションのように、見映えのいい商品ならinstagramが向いています。
ゲームやレジャー施設のような体験型の商品なら、動画サイトとの相性が優れているでしょう。
とにかく認知度を高めることを優先するなら、拡散力のあるtwitterが適しています。
3-3 インフルエンサーを見つける
媒体を絞り込んだら、その中でインフルエンサーを探します。
商品・サービスとの親和性が高く、好感度の高い人物を見極めましょう。
フォロワーやチャンネル登録者が、ターゲット層と重なるかどうかも大切です。
3-4 反響を分析する
インフルエンサーにコンタクトを取り、宣伝を引き受けてもらったら反響に注目しましょう。
投稿の拡散力を、インプレッション数や再生回数などから解析します。
ときには微調整をしながら、宣伝投稿の効果を高めていきましょう。
4. インフルエンサーとの打ち合わせで押さえておくべきこと
実際にインフルエンサーとコンタクトが取れたら、注意事項や要望を伝えましょう。
4-1 NGワードや行動はしっかり説明する
発信力の高いインフルエンサーは、同時に「炎上」の危険もともなっています。
もしも商品・サービスを適切に紹介できなかった場合、世間からバッシングを受けてもおかしくないでしょう。
商品の取り扱い方や魅力などは、企業から丁寧に伝えておくべきです。
さらに、絶対にするべきではない注意事項を守ってもらえたなら、炎上の発生率を下げられます。
4-2 企業から強制しすぎない
インフルエンサーは宣伝活動におけるパートナーになってくれるものの、企業の一員ではありません。
企業からインフルエンサーへの強制力はないので、願望を押しつけないようにしましょう。
インフルエンサーには、日々の活動で浸透させてきた世界感が確立しています。
そこから外れてまで商品・サービスを紹介してくれようとするインフルエンサーは稀です。
企業はインフルエンサーの過去の投稿もチェックし、キャラクターを理解したうえで宣伝をお願いしましょう。
やりとりを進めるうえでも、相手へのリスペクトは必須です。
5. ユニークなインフルエンサーマーケティングの事例!
インフルエンサーマーケティングでは、遊び心のある宣伝活動も可能です。
常識にとらわれない発想が、話題性へとつながります。
5-1 インフルエンサーの行動がブランドイメージにつながる!
商品・サービスを宣伝してもらうだけがインフルエンサーマーケティングではありません。
インフルエンサーを企業が開催するイベントに招待してみましょう。
直接的な宣伝がなくても、インフルエンサーが企業の空間にいることでブランドイメージは上がります。また、イベントそのものの動員を伸ばすためにも有効です。
5-2インフルエンサーのセンスに委ねる
あえて、インフルエンサーに要望を伝えない、というマーケティング方法もあります。
フォロワーはインフルエンサーのあるがままの姿を愛しているため、投稿から企業の影がちらつく時点で反感を抱かれる恐れが出てきます。
宣伝の投稿でも特別なことはせず、いつも通りの内容にしてもらいましょう。
インフルエンサーのセンスに委ねるため、ストレートな宣伝になるとは限りません。
しかし、フォロワーとの間に面白さが共有されるのであれば、ありふれた宣伝投稿よりもインパクトを残せるでしょう。
6. インフルエンサーマーケティングには失敗もある!
いつでもインフルエンサーマーケティングは成功すると限りません。
考えられる失敗パターンを想定しておくことも大事です。
6-1 ネガティブキャンペーンになってしまう
ネットユーザーは「やらせ」や「ステルスマーケティング」といった商法に敏感です。
本人にそんなつもりがなくても、インフルエンサーの宣伝があざとく映ったとき、商品そのものの印象も悪くなりかねません。
ときには、ネガティブキャンペーンと同じ状態に陥ってしまうこともありえます。
インフルエンサーが行う宣伝活動については、結果をシミュレーションするようにしましょう。
世間に批判されるような内容が含まれていると感じたら、事前に軌道修正する努力も大切です。
6-2 インフルエンサーの人気が落ちる
もしもインフルエンサーの人気が落ちると、宣伝に関わっていた商品・サービスのイメージも悪くなります。
また、インフルエンサーが社会的信用をなくすような問題行動をとった場合も、企業にダメージがあるでしょう。
インフルエンサーの選定は慎重に行いたいところです。
7. インフルエンサーマーケティングで宣伝はより独創的に
極端にお金をかけなくても、自由で独創的な宣伝ができるのがインフルエンサーマーケティングの醍醐味です。
自社の商品・サービスにマッチするインフルエンサーと出会えれば、一気に認知度を高めることも可能でしょう。