SharePointは、勤務する場所を選ばず、どこからでも業務に必要な情報を共有したり取得したりできる便利なツールとして、多くの企業に導入されています。
筆者もSharePointをプロジェクト運用に使った際に、余計な手間を省いて業務を効率化したりするのに役立った経験があります。
この記事では、SharePointの具体的な機能やメリット・デメリットなどについて解説していきます。
1. SharePointとは?
SharePointは、アメリカのマイクロソフト社が提供するソフトウェアです。
リリースされてから10年以上経っているので、聞いたことがある人も多いでしょう。
企業や部署、チーム内でファイルや情報を共有したり、共同作業やコミュニケーションを円滑にするための手助けをしたりするサービスです。
複数のユーザーで情報を共有したい場合に、1つのシステムにまとめてオンラインで管理できます。
Webブラウザーがあれば、メンバーがそれぞれのデバイスから接続でき、情報を保存したり、整理したり、共有することが可能です。
SharePointを使って社内のイントラネットを作ると、テレワークなど社員の多様な働き方にも対応でき便利でしょう。
SharePointは、マイクロソフト社のOfficeツールと非常に連携しやすく、アップロードやダウンロードが容易なことが特徴です。
既にマイクロソフト社のOfficeを使用している企業にとっては、社員もサイトの操作に慣れやすく、SharePointの導入が非常にスムーズに行えるでしょう。
どれが最新情報なのかがわかりやすく、ブログや掲示板のようにチーム内で最新の情報共有を円滑に行うことができます。
2 . SharePointはテレワークにも使える?
日本では、これまで会社に社員が出勤して同じ場所で働くというスタイルが一般的でした
しかし、社会情勢の変化や働き方改革などの一環で、日本でも場所や環境を選ばない柔軟な働き方である「テレワーク」が注目されてきました。
SharePointは、テレワークにも使えるのでしょうか。
テレワークで大事なことは、メンバーそれぞれがどこから働いていても、同じ職場で働いているかのようにスムーズに情報伝達したりコミュニケーションがとれたりすることです。
すぐに電話したり話をしにいったりできるオフィス環境とメンバーの顔が見えない自宅などの環境とのギャップを埋めるために、SharePointが活躍するでしょう。
SharePointは企業のポータルサイトとして使えるだけでなく、部門やチームごとのページや、外部のユーザーと共有するページを作成することも可能です。
1つの場所に必要な情報をまとめて共有できるので、メールやチャット機能などのソフトウェアと合わせてSharePointを取り入れれば、メンバーがどこにいても作業の効率を落とさないようにチームとして働く体制を作っていけるでしょう。
3. SharePointで実現できること
ファイルや情報の共有ができるSharePointですが、具体的にはどのような機能があるのでしょうか。SharePointは利用するバージョンによって少しずつ機能が異なります。ここでは、SharePointで実現できることや機能を紹介します。
3-1. 社内ポータルの構築
組織の内部にだけ展開したい情報を載せるWebページを作成しイントラネットとして活用することができます。社員に見せたい情報を素早く確実に発信することができます。閲覧する側も、どれが新しい情報なのか、いつ誰によって発信されたのかなどがすぐにわかるため、時間や労力を無駄にすることなく必要な情報にアクセスできます。また、部門や課、プロジェクトチームなどの細かい組織単位でもチームサイトを作成できるのも魅力です。
3-2. ドキュメント管理
サイト内のコンテンツをライブラリやリストで管理できます。
文書や画像、スケジュール表などの格納と管理を行います。考え方としてはファイルサーバーと似ていますが、SharePointではドキュメントを同期したり、ファイル名の他にタグ付けして分類したりすることも可能です。
アクセスしたい資料がどこにあるのかすぐにわかるシステムになっているので、効率化につながるでしょう。
さらに、ドキュメントに簡単な説明を加えることができるので、表示する前に概要を知ることができるのもファイルサーバーとは異なる点です。
3-3. 情報へのアクセスの効率化
社内の指定されたパソコンに限らず、モバイル機器などのデバイスなどからも必要な情報にアクセスすることができ便利です。また、優れた検索機能によって、SharePoint上にある必要な情報を素早く見つけることができます。
3-4. オンライン上での共同作業
お知らせを掲示していち早くチームメンバーと共有したり、プロジェクトの進捗状況を最新にアップデートしたりすることができます。
また、ドキュメントを複数のメンバーで同時に編集することも可能なので、インターネットアクセスさえあればどこからでも共同作業することができます。
3-5. 情報の保護
SharePointでは、アクセス権を細かくカスタマイズすることができるので、セキュリティや取り扱いに配慮しながら組織内で情報を共有することができます。
権限のない人が勝手に閲覧したりドキュメントをダウンロードや編集してしまうことを防ぎます。
4. SharePointのメリットとデメリット
SharePointには使いやすい点がある分、デメリットもあります。SharePointを使う上で押さえておきたいメリットとデメリットを紹介します。
4-1. SharePointのメリット
SharePointのよい点は情報共有が効率的に行えるため、組織内のコミュニケーションや業務が円滑になることです。
チームサイトが部署やグループ、プロジェクトごとに作成できるので、ユーザーのニーズに合わせた使い方をすることができるでしょう。
また、サイト上に履歴が残せるので、仕事の経緯や前例の確認などが容易です。
メールでは自分に配布されなかった資料は目にすることができませんが、SharePointでは必要になった時点でアクセスすることができるので、回り道をせずに業務に取り掛かることができます。
データベースとしても活用できるので、自発的に仕事に必要な情報を集めて分析し、実務に活かすこともできるでしょう。
マイクロソフト社の他のOfficeツールと連携することができることもSharePointの利点です。
Officeツールの共有や編集を複数のメンバー間で行うことができ、組織の中で各々が離れていてもシームレスな業務を行うことが可能でしょう。
Officeツールを使える人であれば、スムーズにSharePointの使い方も習得できる点も魅力です。
さらに、社外のユーザーとも情報を共有することが可能です。
アクセスや編集の権限は社内でコントロールできるため、管理をきちんと行えば、外部のビジネスパートナーとの共同作業やプロジェクトにも活用できます。
4-2. SharePointのデメリット
SharePointのデメリットは、デザイン性においてわかりにくかったり使いにくかったりする点が挙げられます。
標準のインターフェースでは融通が利きにくく、利用者によっては使い慣れるまでに時間がかかる場合があります。
探している情報がすぐに見つかるように、整理して掲載したりカスタマイズしたりするなどの工夫が必要でしょう。
セキュリティがしっかりしている分、社内のどのメンバーでも部署や課、グループのSharePointに自由にアクセスできるわけではありません。
アクセス権限を与えてもらうためには管理担当者にリクエストを出します。
そのため、担当者が承認しない限り情報をすぐに閲覧できない点もデメリットになってしまうことがあります。
承認する担当者が不在だったりすると、権限を付与するまでに時間のロスが発生してしまうでしょう。
なるべくスムーズに承認作業が行われるように、SharePointの利用を開始する前に、組織内で運用のルールやアクセス権限の基準などをきちんと取り決めておくことが必要です。
5. SharePointを実際に使ってみた感想
SharePointを実際に使ってみると、今までメールで報告していた会議後の資料などを、「SharePointのここを見ておいてください。」と連絡するだけでよいので余計なメール作成の手間が省けました。
議事録を共有したい場合も、SharePointにアップロードすればよいので、チーム内のメンバーに最新情報を確認してもらうことができます。
特に、プレゼンターがたくさん参加する大きな会議などでは、資料を一ヵ所にまとめておくことができる点が非常に便利でした。
業務マニュアルなども一括でSharePointにアップロードし、新しい社員や異動の社員が加わっても自発的に確認しやすいようにしました。
各ドキュメントの最新版を確認できるので、どれが最新のマニュアルなのかを見分けやすく、非常に円滑に引継ぎや教育を行うことができました。
ただし、チーム内での管理方法をしっかり把握し、運用方法や基本的なルールを固めてシェアしていくことが大事だと思います。個人が好き勝手にフォルダを作ってファイルをアップロードしてしまうと、情報がどこにあるかわかりにくくなったり、似たような情報が混在しチーム内に混乱を招いたりすることにつながってしまうでしょう。
6. SharePointに対する世間の評価
SharePointはユーザーからどのように評価されているのでしょうか。まず、Officeツールに慣れている人には使いやすく、コンテンツを保存したり共有したりするのに非常に便利という声が多くあります。また、モバイルやラップトップなどデバイスを選ばずにアクセスすることができるため、働いている場所に関係なく必要な情報を取得できる点は非常に魅力的です。情報格納にとどまらず、スケジュール管理などが可能な点も好評価を得ています。
7. SharePointのメリットを押さえて最大限に活用しよう
SharePointは基本的な使い方を覚えれば、すぐにマスターできる便利なソフトウェアです。
特に、Officeツールが使える人はスムーズに使いこなせるようになるでしょう。
取り扱いに基本的なルールを設けて整理されたページを作れば、組織内のメンバーがいつでも必要な情報にアクセスできる便利なツールです。
外部の人ともページを共有できるので、筆者もプロジェクトに活用していきたいと思います。