企業のPRや商品やサービスの広告を考える上で、動画広告は欠かせないものとなりました。
中でもユーザー数を順調に伸ばしている「YouTube」での広告を考える企業や個人事業主も多いのではないでしょうか?
広告の種類や仕組みを知ることで、効果的な広告を出して成果を得る近道となります。
今回は、YouTubeでの広告の種類や成果に繋がる広告のポイント、そして収益化できる仕組みについてご紹介します。
1. 動画市場は伸びている
インターネット上での広告で主流となっているのは、動画による広告です。
言葉や文章で伝えるより、視覚で伝える動画は、隙間時間を利用してSNSやECサイトを利用する現代人とマッチすることから、動画市場は効果が絶大だと需要が伸びています。
1-1. コロナ禍で伸びるYouTube視聴時間
動画市場が伸びている原因として「新型コロナウイルスによる緊急事態宣言」が挙げられます。
外出自粛、在宅ワークを余儀なくされる状況が続いています。制限のある生活の中でYouTubeの視聴で増加しており、必然的にYouTube広告も急成長をとげています。
2. ユーザーが思うYouTube広告
動画によるYouTube広告は、動画市場の急成長とともに結果を出していますが、ユーザーにとっては不快に感じことも多いようです。
2-1. ユーザー側はうざい
みなさんも、イメージしてください。
YouTubeの視聴を楽しみにしているところに、自分が望まない広告が始まる。
この状況、誰もが一度だけではなく何度も経験したことがあるはずです。また、視聴をしていると突然始まる広告には「いいところでー!」と、うんざりしたこともありますよね。
YouTubeでは、ほとんどの動画で視聴する時に、広告が始まることは誰もが知っていることですが、ユーザー側からは「うざい」と思うことの方が多いようです。
2-2. ブロックしたい
こうした状況から「YouTube広告を表示しない」、「ブロックする方法」というキーワード検索が多くあり、広告を表示させない方法を紹介するブログ記事が検索結果にあふれています。
しかし、YouTube広告を表示させない、ブロックする方法は今のところ3つしかありません。
・プレミアム会員になる
YouTubeが提供するプレミアム会員は、オフラインでの視聴、動画のダウンロード、プレミアム会員のみが視聴できる動画配信など、お得が満載のプランです。このお得なプランの中に「広告を表示させない」というサービスが含まれています。
有料プランになるので、広告表示させない以外にもYouTubeをストレスなく楽しめるサービスが豊富にあります。
・「AdBlock — 最高峰の広告ブロッカー」を使う
Google Chromeの拡張機能で、YouTube広告をブロックすることができます。
こちらのブロック方法は、下記の条件のみに適応させれます。
・Googleアカウントを持っている
・PCにてGoogle ChromeからYouTubeを視聴する
スマホからは利用できないのでご注意ください。
・「AdBlock for YouTube」を使う
こちらもGoogle Chromeの拡張機能になります。Chromeウェブストアより機能を追加させて利用することができます。
YouTube広告をブロックする方法や手順については、下記のブログで詳しく説明していますので、こちらからご覧ください。
【2021年最新!】YouTubeで広告ブロックができる3つの方法
3. YouTube広告の設定と目標設定
広告を依頼する企業には、 YouTube広告をどのような目的で活用しているのかをご紹介します。
3-1. YouTube広告の流れ
YouTube広告を設定するまでの流れは下記の通りになります。
1.キャンペーンを設定する
2.課金方式を設定する
3.ターゲッティングを設定する
これまでに様々なスタイルの広告をご覧になってことがあると思いますが、企業PR、販売、検証など目的によって見せ方も違ってくるので、Google広告にて手順に従って広告を作成していきます。。
3-2. YouTube広告の目標設定
Google AdSensからGoogle広告にログインをして「広告の目標設定」を行います。
ここでは、広告を出す目標=キャンペーンを設定します。
各項目をクリックすると、キャンペーンの詳細が表示されるので、広告と合うものを選択してください。
・キャンペーン
次に広告のフォーマットを決めていきます。
フォーマットの種類は7種類あります。
今回は、YouTube広告を選択します。
・サブタイプ
YouTube広告なので、動画がメインになりますがそのタイプは様々です。
それぞれの広告の特長を後ほどご紹介します。
3-3. 5種類のYouTube広告
YouTube広告は5種類あります。
広告の特長とオススメの目標をご紹介します。
・インストリーム広告
YouTube広告で最も多い、主流となっているのが「インストリーム広告」です。動画の最初、最後または動画の途中に表示される最大30秒広告になります。
インストリーム広告の特長
・動画と同じ位置に表示される
・5秒でスキップ可能にできる
オススメの目標
・販売促進
・見込み顧客の獲得
・ブランド認知度とリーチ
・ディスカバリー広告
YouTubeの関連動画の横、検索結果部分に表示される広告です。スマホでは、トップページや動画コンテンツを探している時に表示されます。
ディスカバリー広告の特長
・動画視聴の邪魔をしない
・興味を持っているユーザーがアクションしやすい
オススメの目標
・販売促進
・見込み顧客の獲得
・商品やブランドの比較検討
・バンパー広告
動画再生前後、再生中に流れる、6秒間のスキップできない広告です。
バンパー広告の特長
・広告再生時間が短い
・スキップできない
・ユーザーへのストレスが少ない
オススメの目標
・ブランド認知度とリーチ
・商品やブランドの比較検討
・アウトストリーム広告
他の広告と違って、YouTubeの外で配信される広告です。
Google動画パートナー上のWebサイトやアプリに表示されます。
アウトストリーム広告の特長
・音声なしで再生される(タップしてミュート解除)
・比較的、費用がかからない
・より多くのリーチを狙える
オススメの目標
・ブランド認知度とリーチ
・Webサイトのトラフィック
・見込顧客の獲得
・マストヘッド広告
YouTubeで一番目立つ場所に表示される広告です。
場所は、PCではサイト内の最上部左上、スマホは最上部となります。
マストヘッド広告の特長
・広告再生が終わった後はサムネイル表示になる
・動画再生回数は最大で30秒
・クリックすると広告の再生ページに移動する
オススメの目標
・ブランド認知度とリーチ
3-4. 課金方式の設定
YouTube広告は、オークション形式で広告金額が決まります。管理と運用はGoogle広告でされています。
そして、YouTube広告の課金方式は大きく分けて3種類あります。
・CPM
CPMとは「Cost Per Mille」の略で、広告を1,000回表示するためにかかる費用をいいます。広告の1,000インプレッションごとに課金される方式です(インプレッションとは、広告が表示された回数)。
・CPV
CPVとは「Cost Per View」の略で、広告動画が30秒以上視聴された場合の費用をいいます。
広告動画を1回再生するたびに料金が発生しますが、広告を不快に思うユーザーが多い中で、課金されるハードルが高いともいえます。
・CPC
CPCとは「Cost Per Click」の略で、広告に1クリックすることで課金される形式です。YouTubeの場合、ユーザーが動画広告のサムネイル、見出しをクリックすると、広告料金が発生します。
3-5. ターゲッティングの設定
誰もが同じ広告動画を視聴しているわけではありません。地域、性別、年齢など基本的なところ以外にも、YouTubeの内での行動、キーワード関連へのコンテンツなどから広告表示を決めることができます。
ターゲッティングの設定は、Google広告と同じですが、YouTubeではアカウントを連携させることで二つのことができようになります。
・自身のチャンネルに「いいね」した人に広告表示ができる
・広告視聴後の行動分析情報が分かる
4. 効果が出るYouTube広告の作り方
動画市場が盛り上がっているからと、なんでも動画広告するればいいかと言えば、そうではありません。
必ず市場やターゲットなど情報収集、調査、分析が必要です。そして興味を持たれる動画を作ることが必要です。
4-1. 最初の5秒にインパクト
動画が始まる5秒にどれだけのインパクトを持たせるかが勝負になります。
どんな魅力的な商品やサービスであっても、広告に興味がなければ何も始まりません。
広告のターゲットとなるユーザーは、どんなことに興味を持つのか?それをどのように伝えるのか?これらを最初の5秒に詰め込むのです。
YouTubeの動画広告は、再生時間は6秒、30秒、それ以上と様々ですが、インストリーム広告のように、5秒視聴後にスキップできる設定があるので、このタイミングでスキップされない広告、続くが気になる広告を作るという点からも最初の5秒は重要なのです。
4-2. 広告の導線を作る
効果がある動画広告には、視聴後の導線が明確にされています。
ただ面白い、楽しい動画広告を作りターゲットに視聴してもらうだけでは、魅力は伝えきれませんし、広告から欲しい成果を得られることはありません。
お問い合わせフォーム、Webサイトのリンクなどを分かりやすい位置に表示して、クリックしやすい、クリックしたくなるデザインにしてください。
4-3. アナリティクスの分析は必須
動画広告の制作、YouTubeで表示させるために事前調査をしていますが、それが全てではありません。
動画広告が開始されたら、戦略が当たりターゲットから欲しい成果が得られているのか、アナリティクスで必ず確認する必要があります。
ここを怠ると、広告の効果があり成果を得られているのかが分かりません。
ターゲットまで届いていないなら、軌道修正をして改めて広告表示をしていきます。逆に成果が出ているなら、このまま続けるのか?次の戦略は必要なのか?新たな戦略を考えていきます。
5. YouTube広告の収益化について
いまや人気職業でもあるYouTuberは「儲かる」イメージがありますが、収益化させるために見えないところで努力をしています。
5-1. 誤解されていること
YouTuberは、自分のチャンネルを持っています。多くのユーザーに動画を視聴してもらえるように「チャンネル登録」を促しています。
チャンネル登録者が多いから「儲かっている」というわけではありません。これも広告の導線と同じで、収益化する入口に過ぎません。
「チャンネル登録者が多いから儲かっているね」は、褒め言葉ではないのでYouTuberには言わない方がいいですね。
5-2. 収益化が始まる条件
実は、YouTubeに動画配信をしていても広告を設定しても、収益化を始めることはできません。
いくつかの条件をクリアする動画配信ができている人だけができるのです。
収益化を始める条件
・登録者数1,000人以上
・有効な公開動画の総再生時間が直近の12ヵ月間で4,000時間以上
・リンクされているAdSenseアカウントを持っている
・YouTubeの収益化ポリシーに違反していない
この条件をクリアしてYouTubeパートナーの申請をします。この審査に通ってはじめて収益化ができます。
6. 収益化を上げるポイント
YouTubeでの広告、収益化できるYouTuberは、限られた人たちだけです。
そして、条件をクリアして収益化ができていても「儲かっているYouTuber」は、ほとんどいません。
そこで、収益化を上げるためのポイントについてご紹介します。
6-1. 広告再生回数を増やすために動画再生回数を増やす
配信する動画再生回数と広告再生回数はイコールではありません。
これは、一つの動画の中に広告が複数回表示されることがあるからです。
動画を多く配信することも大切ですが、広告の再生回数を増やすために「動画の再生回数を増やす」ことが収益化のポイントです。
6-2. 深く狭く刺さるCPMを高める
広告再生回数を増やすために、1つの動画に複数の広告を表示すればいいわけではありません。
動画を視聴しているユーザーが興味ある広告を選択しますが、ここで選ぶポイントとしては「ニッチなもの」、「CPMが高いもの」です。
浅く広い人に好まれるテーマの広告は、多くの人に視聴される可能性がありますがCPMが安いです。逆を言えば多くの人に視聴さられないと収益にはなりません。
だから、動画の内容は少数にしか興味がないものでも、その少数に興味を持たれクリックされる広告であれば反応は大きく出ます。
ここを攻めていく収益化は成果が出やすくなります。
6-3. 動画のテーマを決める
上記の考え方は成果が得られやすいですが、これをするためにはチャンネルや動画のテーマはきちんと決めておく必要があります。
テーマが分かりやすく動画内容が明確であることで、広告による収益化を加速させます。
一本の軸がブレない方がユーザーにも伝わりやすいのです。
7. まとめ
YouTubeの広告種類、収益化についてご紹介しました。
人気で華やかな印象のあるYouTubeですが、見えないところでは厳しい条件をクリアして細かく設定を考えていく必要があることが分かります。
簡単には稼ぐことができませんね。
広告に対しては、こうした努力とは逆にユーザーには「うざい」と思われています。ブロックするためにどうしたらいいのか検索して考えるほどです。
双方の考えの相違が交わるところがポイントですね。
広告の種類をしっかり理解して成果を得ていきましょう。