SNS運用で注目を集めているUGC。
聞いたことはあるけれど、良く知らないという方も多いのではないでしょうか。UGCは今後、マーケティング施策を検討する中で、大きな役割を果たしていくかもしれません。
今回は、UGCとは何か、どのような種類があるのか、UGCが出やすい商材・サービス、特徴とメリット・デメリットといった基本的な知識から、UGCの活用方法と活用事例まで詳しくご紹介します。
1. UGCとは
UGCとは、「User Generated Content」の略称で、「ユーザー生成コンテンツ」を意味します。つまり、ユーザーによって作られたコンテンツの総称です。
企業が作り出すホームページ等のコーポレートサイトやその他のコンテンツとは異なり、ユーザーが画像や動画を投稿したり、口コミを書くといったことがUGCに当てはまります。
CGMも呼ばれています。
UGCの対義語に「PGC」という言葉があります。
「PGC」とはProfessional Generated Contentの略で、UGCとは逆に違い、「プロによって作られたコンテンツ」を意味します。
UGCを発生させるにはPGCが重要だといわれてますのでこちらも覚えておいてください。
2. UGCの種類
UGCの種類としては、
・SNS投稿
・サイトへの口コミやレビュー
・ブログの更新
などが挙げられます。
SNS投稿では、InstagramやTwitter、YouTube、Facebookといったものがあり、最近では若い世代にTiktokなども利用されています。
こうしたInstagram等への画像や動画の投稿、コメントがUGCに含まれています。
サイトへの口コミやレビューには、じゃらん等旅行サイトのレビューや、食べログ等飲食系サイトのレビュー、化粧品サイトへの口コミ、転職サイトへの口コミ、ECサイトへの口コミ等が含まれます。
ブログは自分で持っているブログの他に、他の人のブログへのコメントなども含まれています。
3. UGCが出やすい商材・サービス
UGCが出やすい商材・サービスとしては、普段手に取ることが多いBtoCの商品が考えられます。
例えば、
・オシャレな雑貨やインテリア
・トレンドとなっている食べ物
・最新のコスメ
・登場人物が話題となりやすいゲーム
などUGCの一つであるインフルエンサーと呼ばれる人々が紹介しやすい商材やサービスが、UGCが出やすいと言えます。
4. UGCの特徴
UGCの特徴としては、何といってもユーザー同士で情報発信をしていることです。
今まで企業がどれだけ商品やサービスの良さを伝えても、本当に良い商品かどうかは使ってみないと分からないという状況にありました。
消費者同士の情報発信によって、新たな顧客の購買行動にもつながります。
しかしユーザーからの情報発信は、企業ではない第三者の意見として、また同じユーザーの意見として捉えることが出来る、という点が最大の特徴です。
具体的なメリットとデメリットをご紹介します。
5. UGCのメリット
UGCのメリットとしては、同じユーザーの視点で商品やサービスの良さを紹介してくれる点とユーザーの本音を引き出し、改善施策を打てる点があります。
5-1. 同じユーザーの視点で商品やサービスの良さを紹介してくれる
商品やサービスのマーケティング効果があるという点です。
ユーザーが実際に商品を手に取り、使い勝手を確かめてその評価を投稿している場合、商品のマーケティングとして他のユーザーの購買意欲に良い効果があります。
さらに、企業が気付いていなかった商品の活用方法などの投稿で、想定していなかったユーザー層にまで購買範囲を広げてくれる可能性もあります。
5-2. ユーザーの本音を引き出し、改善施策を打てる
不満や要望といったユーザーの本音をチェック出来る点も大きなメリットです。
商品の購入数や売上げだけでは、こうした不満や要望といった具体的な課題は発見しづらいこともあります。
しかし、売上げが落ちている商品の口コミをチェックしてみると、商品の課題が発見出来て、売上げアップに繋がる施策を検討出来るかもしれません。
6. UGCのデメリット
注意点としてSNSでの炎上や権利侵害のリスクがあります。
6-1. SNS投稿の炎上リスク
SNSを利用するユーザーの中には、よく確認せずに正しくない情報を投稿してしまう場合もあります。直接のクレームであれば、訂正出来る内容であっても、一度拡散されると収集がつかないほど炎上してしまうケースも見られます。
投稿内容は出来るだけ早く対応出来るようにチェック体制を整えておくことも検討しましょう。
6-2. 権利侵害
もう一つは権利侵害の問題です。投稿画像に第三者が映っている場合に肖像権の侵害にあたるケースや、著作権のかかっている商品を無断で投稿するといった行為が権利侵害になる場合もあります。
UGC活用の導入にあたって企業がしっかり確認するようにしましょう。
7. UGCの活用方法
UGCの活用方法としては、UGCを集める施策とUGCを活用する施策に分けられます。
7-1. UGCを集める方法
UGCを集める方法としては、キャンペーンの実施が効果的だと言われています。
「#○○のハッシュタグを付けて投稿すると○○をプレゼントします!」という形で、ユーザーにSNSで投稿してもらい、拡散することで、企業や商品の認知を上げることが出来ます。
また、企業アカウントのフォローもキャンペーンの応募条件としていることも多く、企業アカウントのフォロワー数を増やすことで、企業が投稿した新商品などの情報を定期的に見てもらえるチャンスを広げることが出来ます。
7-2. UGCの活用方法
UGCの活用としては、ユーザーが投稿した内容を企業のサイトや広告等で紹介する方法があります。
こちらは先ほどデメリットの中でご紹介したように、ユーザーに許可をとった上で活用する必要があります。
最近では、GoogleなどのWeb検索よりもSNSで検索することが増えていることや、予約サイトでは口コミなどをチェックしてから予約する人も多いので、SNSでのユーザーの投稿や口コミをサイトや広告に活用することは有効な手段と言えるでしょう。
8. UGCの収集・活用事例5選
UGCを集める事例として、ツイッターやInstagramといったSNSを使った事例、集めたUGCをサイト等で活用しているプロモーション事例をご紹介します。
8-1. Adobe
Adobeでは、instagramで「#adobe_perspective」のハッシュタグを付けて、Adobeを使って制作した画像や動画を投稿をしてもらうというキャンペーンを実施しました。このキャンペーンには、3000件以上もの投稿が寄せられています。
クリエイターには良く知られているAdobeですが、実現できることが多いAdobeだからこそ、使える機能や知っておいて欲しい製品知識も多く、そうした情報をテキストではなくクリエイティブな作品そのもので伝えている点が魅力です。
また、使いこなすと実現出来るクリエイティブの技術レベルもイメージ出来るので、是非使ってみたいと思うユーザーの心も掴める成功事例と言えます。
8-2. Starbacks
StarbacksがTwitterとInstagramの両方で実施したキャンペーン事例「カップアートコンテスト」。
お馴染みのスタバの白のカップに好きなデザインを書いて、「#StarbucksBecolorfulCupArt」のハッシュタグをつけて投稿するというキャンペーンです。
2019年に実施されたのですが、選ばれたデザインは2020年秋にリユーザブルカップのデザインとして採用されます。
オシャレな色とりどりにデザインされたカップの投稿は、ユーザーの目につきやすく、マーケティング効果も高いと言えるでしょう。
また、誰でも参加しやすいキャンペーン内容である事にも関わらず、プロ並みの質の高いUGCも含まれている点が特徴です。
8-3. オーストラリア政府観光局
オーストラリア政府観光局では「#SeeAustralia」のハッシュタグを付けて投稿してもらうキャンペーンを実施し、現在では528万件の投稿数となっています。
華やかな食事、自然の景色、動物、綺麗な海など、オーストラリアの良さを様々な角度から一度に写真で見ることが出来るSNSの特性を活かした施策と言えるでしょう。
オーストラリアに住む人々の日常の風景は、UGCならではコンテンツです。
また、UGCの活用も行っており、オーストラリア政府観光局の公式サイトでは、Instagramの投稿を紹介しています。
他にもYouTubeやPINTERESTなど、複数のSNSを使い分けている点でもとても参考になるので、是非チェックしてみてください。
8-4. RAVIJOUR(ラヴィジュール )
20代の比較的若い世代に人気が高いランジェリーブランド「RAVIJOUR」。
Instagramで「#RAVIJOUR」のハッシュタグが付いている画像を、RAVIJOURのサイトの中で紹介しています。ユーザーが着用している画像は、実際に使うイメージが持ちやすいというメリットもあります。
気に入った画像を選択すると、すぐに購入できるものは商品紹介の画像が表示され、詳細画面への移動して商品の購入をすることも可能です。
また、画像選択時には投稿コメントを確認することも出来るので、付けやすさなどの評価をテキストでもチェックすることが可能です。
興味を持ったユーザーにリアルタイムにアプローチ出来る、購入に繋がる施策といえるでしょう。
YOTPO 導入事例株式会社ベリグリ(RAVIJOUR)(参照 2020-12-09)
8-5. カゴメ
食品メーカーとして有名なカゴメでは、Facebook広告のクリエイティブにUGCを活用して、大きな成功を収めたことで有名です。UGCではないクリエイティブを使用した広告も出稿し比較したところ、UGCが最も大きな成果を出したことが分かっています。
ここでのポイントとしては、カゴメのターゲット層を理解して、SNSを選択し、さらにUGCを活用して惹きつけたことです。
UGCを活用した広告を作成した製品のターゲットは50歳代を中心とした比較的高い年齢層だったそうです。
SNSを選択する時にこうしたターゲット層を考慮してFaceBook広告を選択しています。
これによりECサイトの購入率が約3倍にまでアップしたそうです。
製品の特徴やターゲットを理解し、UGCの良さと上手く組み合わせて活用出来た所が成功の秘訣だと言えるでしょう。
マイナビニュース通販でも売れるSNS広告とは? ~Oisix、カゴメが語るFacebook広告施策のポイント~(参照 2020-12-12)
9. UGCを生み出す企業
hottolinkは世界中のソーシャルビックデータを保有し、高度データ分析、活用技術を使ってSNSマーケティングを支援します。
ソーシャルメディアを熟知しているスタッフが、自社や競合ブランドを分析し、口コミの発生要因を調べ、情報の伝達経路を確認し最適なプロモーション方法を提案します。
10. まとめ
UGCの基本的な知識から、具体的な活用方法や事例をご紹介してきました。
UGCが何か理解すると、日常生活のあちこちでUGCが使われていることに気付いたのではないでしょうか。
信頼度の高いUGCを上手く活用出来ると、製品やサービスへの好感度が上がり、ファンを増やすことにつながるでしょう。
ファンを創出することが出来れば、製品の詳細な機能を紹介したり、より世界観を充実させたり、施策を充実させていくことでさらにコアファンになってもらう好循環を作り出すことができます。
コアファンは、良いUGCを生み出し、新たなユーザーへ情報発信をしてくれる、こうしたUGCの流れを是非ビジネスモデルに取り入れていってほしいと思います。