こんにちは「あつし」です。
今回は営業職を人生で一度は経験したほうがいい理由と、営業の極意の後半をお伝えします。
前半はこちら
【社長が考える】営業職を一度は経験したほうが良い理由と営業の極意①
1. 営業の極意
続いて、営業の極意についてお話をしていきます。
私自身も営業職を5年間やりましたし社長になってからも営業は常に付きまとうものなので、常に営業ってこうあるべきというものを日々研究しております。
1-1. 雑談はやっぱり大切
まず最初に、雑談はやっぱり大切だなと思っています。
最初にアイスブレイクというものがあるとおり雑談を入れていくのですが、ここで本当に雑談をしてはダメなんですね。
「暑いですね」とか「最近どうしてますか?」みたいな感じで本当の意味の雑談をしてしまうとあまり効果がないと思っているので、目的のない雑談はやめたほうがいいと思います。
相手によってはこのような雑談が嫌いな人もいるので、そういう意味では中途半端な雑談をするのだったらやらないほうがいいと思います。
雑談というのは、基本的には目的をもってするといいと思います。
例えば私がよくやったのは、共通点を探すということです。
共通点もあまり抽象的な共通点を探すよりは、レアな共通点を探すことができるとグッと距離が縮まるかなと思っています。
例えば「お酒が好きなんです」という共通点。
これはもしかしたら簡単に見つけることができるかもしれないのですが、そのぐらいの共通点だと弱いです。
私の場合は、次のような共通点まで落とし込みます。
お酒が好き過ぎてお酒をいっぱい飲むようになっちゃったので、ちょっとお酒を控えようと思ってノンアルコールビールを飲み始めました。そしてノンアルコールビールを飲み始めたらけっこうハマってしまって、いろいろなノンアルコールビールを飲む中ですごく好きなノンアルコールビールの銘柄ができました。
そのノンアルコールの好きな銘柄が一緒。という感じです。
実際にこのような共通点をもったお客さんがいました。
それぐらいレアな共通点があると、けっこうそこは盛り上がるんですね。
「あー!あのノンアルコールビールいいですよね!」って。
「一番あれがビールに近い味ですよね!」みたいな感じで多少同じ共通点があると盛り上がることができるので、スッと本題に入ることができます。
そういう共通点が見つかると「次のときにはもっとおいしいノンアルコールのビールの銘柄を考えてこよう!」とかそういうことがわかるので、そういった意味ではレアな共通点が見つかると多少親近感が湧いたりスッと本題に入ることができるかなと思います。
1-2. 基本はしゃべらない
続いて大切なことは、基本的に優秀な営業ほどあまりしゃべらないということです。
経験が少ない営業さんほど、一生懸命商品やサービスのPRを説明しちゃったりしゃべっちゃったりしてあまり相手が全然聞いていないこともあると思います。
どちらかというと、上手な営業さんは聞き上手になるんですね。
しゃべり上手になるのではなくて聞き上手になって、相手の状況をいろいろなところから聞き出すほうがいいと思います。
相手が今どういう状況なのかとか、相手は今どういう競合と取り引きをしているのかとか、相手が望んでいる結果はどういう結果なのかとか、だいたい何社ぐらいと交渉をしているのかとかね。
そういった情報をどんどんどんどん聞き出していって、こっちが営業しやすい情報を聞き出すのが大事になってきます。
1-3. 本音まで聞き出す
最終的にはその次、本音まで聞き出すことが大事です。
本音に近い部分やあまりしゃべっちゃいけない部分のほうが大切な情報だったりして、それっていうのはなかなかすぐには出てこない情報だったりします。
例えば競合がいくらぐらいの価格でオファーしてきているとか、実はお客さんのほうで新しい経営戦略が決まっていてその経営戦略に沿った内容ではないと受け入れてもらえないといった情報です。
あまりしゃべってはいけないようなコアな情報を聞き出したほうが、営業ってしやすいです。
逆に言うとお客さんもお金を払って商品やサービスを買ってくるので、本音の部分に触れてこないとあまりメリットを感じないでなかなか「購入します!」という気持ちにはならないと思います。
本音はしゃべってくれないんだけどその本音を叶えてあげないと購入してもらえないので、上手に聞き出して本音をしゃべってもらうようにするということです。
なので自分の欲しい情報だけを淡々と聞くのではなくて、お客さんがしゃべりやすい状況を作って上手に質問をして本音の部分まで引き出すことができると営業ってうまくいきやすいのかなと思います。
1-4. 説得力は数字と事例で示す
商品やサービスの説明をするときに、あまり自社の商品やサービスの良いところばかりを説明するとお客さんは引いてしまうと思います。
「自分の会社のものなので、それは良く言いますよね…」という話になってしまうんですね。
なのでそういった説明をするときに説得力が増す説明の方法としては、「数字」と「事例」で示すのが大事です。
「自社の製品を使ってくれた他のこういう会社さんでは、こういうふうな数値結果が出ています」とか、そういったことを伝えてみるといいと思います。
「自社の商品はこれがいいですよ!」「この数値がいいですよ!」というよりはあまり全面的に自社の商品をPRせずに、さり気なく言ったほうが私は説得が伝わりやすいかなと思っています。
「他社ではこんなに素晴らしい成果がこの短い期間で出ているんです。」
「その担当者のみなさんもすごくよく頑張ってくれたので、こういう結果につながったんだと思います。」
「そのときに使っていた商品がこれなんですけど…」
上記のような感じでちょっと言うぐらいでも商品のすごさって伝わるので、あまり商品がすごい!すごい!と言うのではなくて他社の事例とか実績の事例、数値、結果で示したほうが逆に説得力があるかなと思います。
1-5. 価格は予算や他社比較を聞いてから
価格提示についてなのですが、もともと価格が決まっている商品を売っている場合はまた別なのですが、価格が相手の会社によって違う商品もけっこうあります。
化学メーカーでもそうでした。
やっぱり化学メーカーでも、購入してくれる数量とか配送する場所によっても全然各社値段が違いました。
そんなときに「この金額なんですけど買うか買わないか決めてください」と自分たちの価格をポンッて言ったら、それは買ってもらう可能性が低くなってしまいます。それが合わなかったら終わりなので。
なので、なるべく価格は相手の予算や他社の価格を聞き出してから提示したほうがいいかなと私は思います。
なかなか予算や他社価格は、お客さんもポンポンと簡単にはしゃべってくれません。
なので聞き出し方にもコツがいります。
お客さんにとってもしゃべりやすいように質問してあげるほうがいいと思うんです。
例えば私の場合も「社内を説得するためにどうしても他社の価格がどのぐらいかをお聞きしたいのですが、いきなりいくらとは言えないと思うのでだいたいでかまわないです。100万円と500万円だったらどっちが近いですか?」
「あー!そうなんですね!300万円が近いんですね!」
「じゃあ300万円台だとしたらその前半ですか?後半ですか?」みたいな感じでちょっと二択を作っていって選択していくことで、だいたいの予算感とか価格感が掴めてくると思います。
ある程度まで掴めたら、「あ!わかりました。それで大丈夫です!」というふうに言って持ち帰ることが大事です。
全く教えてくれないケースは実は稀でして、意外と聞くと教えてくれます。
ただしっかりした価格や予算を言ってしまうとその人も後からリスクがあるので、ぼやかした状態で狭めていく聞き方ができると相手の価格や予算がわかって営業もしやすいかなと思います。
1-6. 段階を分ける
続いて、営業は段階を分けるということです。
一発で契約を取ろうという営業さんもいるのですが、それは焦り過ぎですね。
大きな契約であればあるほど、時間はかかってきます。
なので1回で契約を取ろうとせずに、段階を分けて契約を取りにいくことをよくやっていました。
例えば次のような感じです。
- 信頼関係を築くことと相手の本音を聞き出すことに集中する
- 提案をもっていってなるべく最初の検討段階に入ってもらう
- 相手の上司の方も呼んでもらって自分たちの上司も連れていって契約にこぎつける
やっぱり1回で契約はないと思うので、毎回こういうステップで契約を取りにいこうと段階に分けられるようになるといいと思います。
1-7. ゴールからの逆算
こういった営業のステップは、ゴールから逆算するといいと思います。
契約するためには何が揃えば契約になるんだろう?ということを考えるんですね。
そうすると1つ目は他社と同等の価格でもっていかないといけないとか、他社より良い性能を出さないといけないとか、他社と同じ納期を出さないといけないとか。
そういった最低でもこれを揃えないといけないという条件が出てくると思います。
その条件が決まってきたら、その条件を叶えるために何をしなくちゃいけないかを考えるということですね。
この価格を出さなくちゃいけないなら社内で説得をしておこうとか、製造部門を説得をしておこうとか、この性能を出さないといけないんだったらこの性能を出すために開発部門と話し合いをしてこの性能が出るように開発を進めてもらう。そして試験結果も出してもらおうとか、この納期に合わせないといけないんだったら物流部門と交渉をしてなるべく納期を早められるようにしていこうという感じです。
ゴールが決まったらそのために何をしなくちゃいけないかをなるべくたくさん書き出してアクションを効率的にやっていくようになると、レベルの高い営業の一歩になっていきます。
1-8. 資料作りに命をかける
そして続いて、資料作りに命をかけるのも大事かなと思います。
もちろんこれは営業する相手や営業する商品によって変わってくると思うのですが、私の場合は営業するときは資料をしっかり作るようにしていました。
それはいくつか目的がありました。
資料を作るのは時間もかかるし大変なのですが、相手のことをよく調べてからではないと資料を作れません。
なので結果的に相手のことをすごくよくわかるようになっていきます。
資料を上手に作れるようになってくると資料作りのスピードが上がっていって、各社に質の高い提案資料を短時間で作れるようになっていきます。
質の高い提案資料ができるようになると、今度はそれを後輩に任せたり部下に任せることができるようになってきます。
自分一人でずっと営業をやっているならいいのですが、だんだん後輩育成をしていかないといけないと思います。
その育成のときに資料があると任せやすいので、自分の力にもなりますし人にも任せやすいという意味では資料作りに時間をかけても結果的に効率がいいのかなと私は思っています。
1-9. 同じことはやらない
営業をやっていると営業が簡単に取れるようになってきて、どんどんどんどん数をこなせるようになってきます。
しかし数をこなす営業に関しては、あまり意味がないかなと思います。
それよりは質を高めるとか、より責任のある営業をするとか、より大きな仕事を取る営業にシフトしていったほうが私はいいと思っています。
そして同じような営業はどんどん部下に任せていく、後輩に任せていく方がいいかなと思います。
これはなぜかというと、私が当時すごい営業が得意になってきて1000万円ぐらいの契約を何本も取れるようになってきました。
それこそ徹夜をして、年間何十本もそういった契約を取れるようになってきました。
ただあるとき自分の上司である部長が営業に一緒に連れていってくれたのですが、その部長が営業していた案件が50億の仕事だったんですね。
自分が1000万円の仕事を100本取っても10億だと。すごく頑張ったとしても年間で100本取るのはかなり難しい、そんな営業で100本取っても10億。
なのにその部長がやっている営業は、1発で50億なんですね。
つまり同じ営業であっても、価値は全然違うということなんです。
そうするとより価値の高い営業、より責任のある仕事、より大きな仕事を取る営業のほうが大事なわけであって、自分もどんどんどんどん営業のレベルを上げていかないといけないなと思っています。
なので資料をしっかり作って、自分ができるようになったことはすぐに後輩や部下に任せる。そして自分はどんどんどんどんもっとよりレベルの高いことをしていくほうが、ビジネスマンとしては成長が早いのかなと思います。
なので同じことはやらない。
自分ができないような営業に常に挑戦していくことが大事です。
2. まとめ
いかがでしたでしょうか。
本日は、営業職を一度は経験したほうがいい理由と営業の極意についてお話をさせていただきました。
今すでに営業職をやっている人はさらにその営業の力を磨いていけば絶対に今後役に立つと思いますので、それを続けていただければなと思います。
営業をやったことがない人も、「今日の営業の極意を自分だったらこういうふうにやろうかな?」ということを感じて営業するチャンスがあったらぜひそのチャンスを活かしていろいろな経験をしたほうがいいかなと思います。
それでは今日はこの辺で失礼します。