LINEは無料通話アプリで有名ですが、企業の広告を運用する「LINE広告」というサービスも提供しています。
そんなLINE広告に興味がある。またはこれから運用したいと思っている人も多いはずです。
今回はLINE広告のターゲティング方式や広告の配信面など、基本的な知識をくまなく紹介していきます。
現在LINE広告に興味がある場合には、ぜひ参考にしてみてください。
1. LINE広告とは?
LINE広告とは、LINEに広告を出稿するための広告配信サービスのことです。
LINEは日本中で使われていることから、リーチできるユーザー規模が大きいです。この特徴から、日本ではTwitter広告やFacebook広告と並んで利用されている広告サービスになります。
LINEを利用している人であればわかると思いますが、LINEのトーク画面やVOOMに広告が表示されていると思います。
これがいわゆるLINE広告でして、LINEに限らず「LINEマンガ」や「LINE証券」などのサービスにも同じように広告が掲載されています。
1-1. LINE広告の課金方式
LINE広告の課金方式には、次の3つがあります。
- クリック課金
- インプレッション課金
- 友だち追加課金
それぞれの課金方式ついて、詳しく紹介していきます。
・クリック課金
クリック課金は、主に画像を使った広告で採用される課金方式です。
例えばLINEのトーク画面に表示されているバナーやVOOMに表示されているディスプレイ広告などが、クリック課金の広告になります。
クリック課金では、広告をクリックされたときにだけ費用が発生します。
この特徴から広告をクリックしてくれたアクティブなユーザーにだけ広告費がかかりますので、コンバージョンの見込みがない顧客に広告費を使うことを防げます。
・インプレッション課金
インプレッション課金は、主に動画広告で採用される課金方式です。
例としてはVOOMに掲載されている動画広告が、このインプレッション課金の広告になります。
インプレッション課金の仕組みとしては、動画の広告枠が100%表示されたときに1回とカウントされます。そして表示回数が1000回カウントされたタイミングで費用が発生します。
インプレッション課金では、表示回数を最大化しようとしてくれます。そのため広告の露出回数が多くなり、多くのユーザーに広告を見てもらえるメリットがあります。
ただしユーザーがアクションを起こさなくても広告費がかかってしまうので、費用の割に成果を得られない可能性もあります。
・友だち追加課金
友だち追加課金は、LINEの公式アカウントをユーザーが友だち追加したタイミングで費用が発生します。
クリック課金と同じようにユーザーがアクションを起こしたタイミングだけ費用が発生しますので、広告費を効率的に運用できる課金システムと言えます。
2. LINE広告のメリット・デメリット
LINE広告のメリットとデメリットを紹介していきます。
サービスの特徴を把握し、LINE広告を運用するのかを検討してみてください。
2-1. 多くのユーザーと接触できる
LINE広告の最大の特徴は、多くのユーザーと接触できることです。
LINE広告を出稿する「LINE」は、2021年12月時点で9000万人ものユーザー数を抱えています。
またLINE広告は、「LINEマンガ」や「LINE証券」のようにLINEが運営する他のサービスにも広告が掲載されます。
このようにLINE広告を使えば9000万人以上ものユーザーにリーチできますので、非常に多くのユーザーに広告を見てもらえるメリットがあります。
日本人なら誰でも使っているLINEだからこその特徴と言えます。
2-2. 広告の配信先が豊富
LINE広告には、「LINE広告ネットワーク」というシステムがあります。
LINE広告ネットワークとは、外部のサービスと連携をしてLINE広告を外部のサービスにも配信するためのシステムです。
LINE広告ネットワークと連携しているサービスとしては、次のようなサービスがあげられます。
- DELISH KITCHEN
- Abema TV
- TikTok
つまりLINE広告を運用することで、上記のような外部のサービスにも広告を掲載できるわけです。
LINE広告を使えばLINE関連のサービス以外にも集客チャネルができますので、さまざまな経路から自社へのアクセスを増やせます。
2-3. ターゲティングの精度はやや低い
LINE広告は、Facebook広告などに比べるとターゲティングの精度がやや低くなります。
Facebookは実名での利用を基本としたサービスですので、ユーザーの属性を正確に取得できます。したがって広告のターゲティングも精度が高く、見込み客にリーチできる可能性が高いです。
対してLINEは実名やプロフィールを設定しなくても利用できるため、ユーザーの登録情報が曖昧な場合も多いです。
LINE広告でも細かなターゲィングを設定できるのですが、そもそもユーザーの属性が正確ではないこともありますのでターゲティングの精度は低くなります。
3. LINE広告の配信面
LINE広告を運用した場合、さまざまな箇所に広告が掲載されます。
LINE広告の配信面について紹介していきます。
トークリスト | LINEのトークリスト最上部に広告が掲載されます |
LINE NEWS | LINEの「ニュースタブ」から開くことができ、話題ごとにさまざまなニュースが掲載されているサービス |
LINE VOOM | LINEの「VOOMタブ」から開くことができ、ショート動画などを視聴できる動画プラットフォーム |
ウォレット | LINEの「ウォレットタブ」から開くことができ、電子決済やモバイル送金ができるサービス |
LINE マンガ | マンガを無料、または有料で読める電子コミックサービス。若年層を中心に利用されているサービス |
LINE ポイント | 「友だち追加」「動画視聴」などの課題をクリアすることでポイントがもらえるサービス。取得したポイントはスタンプなどと交換が可能 |
LINE BLOG | LINEが運用する無料のブログサービス。芸能人の利用者も多く、近年人気の高いブログサービス |
LINE チラシ | ユーザーの生活圏内を中心に、お得な情報を知らせてくれるチラシサービス |
LINE クーポン | 飲食店、コンビニ、スーパーなどで使えるクーポンを取得できるサービス。女性を中心に40~50代の人が多く利用しているサービス |
LINE マイカード | お店の会員カードやポイントカードを一元管理できるサービス |
LINE ショッピング | LINEが運営するショッピングサイト。ファッションから家電までさまざまな商品を展開 |
LINE広告ネットワーク | LINE広告を外部のサービスにも掲載するシステム |
上記のようにLINE関連のサービスを中心に、外部のサービスにも広告が掲載されます。
4. LINE広告の運用目的
LINE広告を運用する際は、次の画像のように運用目的を決めてから広告を運用し始めます。
それぞれの運用目的によって選択できる広告フォーマットや課金システムが異なりますので、自社の目的に合った項目を選択する必要があります。
それぞれの運用目的について、簡単に紹介していきます。
ウェブサイトへのアクセス | ウェブサイトへのアクセスを数を増やすことを目的としたキャンペーンです。 |
ウェブサイトコンバージョン | ウェブサイトでのコンバージョン数を増やすことを目的としたキャンペーンです。 |
アプリのインストール | アプリのインストール数を増やすことを目的としたキャンペーンです。 |
アプリのエンゲージメント | アプリ利用者のアプリの起動回数を増やすことを目的としたキャンペーンです。 |
動画の再生 | 動画の再生数を増やすことを目的としたキャンペーンです。 |
リーチ | リーチ数を増やすことを目的としたキャンペーンです。 |
友だち追加 | LINE公式アカウントの友だち数を増やすことを目的としたキャンペーンです。 |
5. LINE広告のターゲティング方式
LINE広告では見込み客に適切にリーチできるように、細かなターゲティングを設定できます。
LINE広告で設定できるターゲティング項目について紹介していきます。
5-1. デモグラフィック配信
LINE広告では年齢や性別などのデモグラフィックデータを設定でき、広告の配信対象を制限できます。
具体的に設定できる項目を紹介すると、次の通りです。
地域 | 配信地域、除外地域を設定可能 設定地域については、地域名、または半径で設定できる 配信対象も「住んでいる人」「働いている人」「最近いた人」の中から選べる |
性別 | 男性、女性、両方から選べる |
年齢 | 15~64歳まで設定可能 |
OS | Android、iOS、両方から選べる |
5-2. 詳細ターゲティング配信
LINE広告には、詳細ターゲティングという設定項目もあります。
詳細ターゲティングを設定することで、広告を配信するユーザーと配信しないユーザーをより細かく選別できます。
詳細ターゲティングで設定できる項目は、次の3つです。
趣味・関心 | ゲーム、家電、スポーツ、ビジネスなどから選択可能 |
行動 | テレビの視聴頻度、キャリアの変更、コンバージョンの確率などを設定可能 |
属性 | 配偶者、子供、携帯キャリアなどを設定可能 |
5-3. オーディエンス配信
オーディエンス配信では、サイトに訪問したことのあるユーザーをターゲティングしたり電話番号をもとにターゲティングができたりします。
オーディエンス配信で設定できる項目は、次の9つです。
ウェブトラフィックオーディエンス | LINE Tagのトラッキング情報をもとに、サイトを訪問した人のオーディエンスを作成できます。またサイト内購入などのイベントにもとづいてオーディエンスを作成することも可能です。 |
モバイルアプリオーディエンス | アプリを開いた人やアプリ内で購入した人など、アプリ内で発生したイベントにもとづいてオーディエンスを作成できます。 |
IDFA/AAIDアップロード | IDFA/AAIDデータをアップロードしてオーディエンスを作成できます。 |
電話番号アップロード | 電話番号をアップロードしてオーディエンスを作成できます。 |
メールアドレスアップロード | メールアドレスをアップロードしてオーディエンスを作成できます。 |
LINE公式アカウントの友だちオーディエンス | LINE公式アカウントの友だちやブロック中の友だちのオーディエンスを作成できます。 |
類似オーディエンス | 今までにコンバージョンしたことのあるユーザーと似た特徴をもったユーザーのオーディエンスを作成できます。類似率は1~15%の幅で設定でき、1に近いほど類似率が高くなります。 |
動画視聴オーディエンス | 動画を視聴した人のオーディエンスを作成できます。 |
画像クリックオーディエンス | キャンペーンIDを指定して、そのキャンペーンで使用されている画像をクリックした人のオーディエンスを作成できます。 |
6. LINE広告の広告フォーマットの種類
LINE広告の広告フォーマットにはいくつか種類があります。
それぞれの広告フォーマットごとに特徴を紹介していきます。
6-1. Card
Cardは横長に表示される広告で、画像・動画のどちらにも適用される広告フォーマットです。
デザインがシンプルなため、ほとんどの配信面で適用されます。
6-2. Square
Squareは正方形に表示される広告で、画像・動画のどちらにも適用される広告フォーマットです。
Cardよりも画面の占有面積が広いため、ユーザーの目につきやすい特徴をもっています。
6-3. カルーセル
カルーセルは最大10枚までの画像を掲載できる広告フォーマットで、画面をスライドすることによって画像を切り替えられます。
カルーセルは少ない面積で多くの画像を掲載できることから、ファッションやコスメなどの広告でよく使われる広告フォーマットです。
ただカルーセルはすこし特徴的なデザインをしているため、掲載できる配信面が限られます。
6-4. 画像+テキスト
画像+テキストは、小さな画像とテキストで構成される広告フォーマットです。
少ない面積でも魅力的な広告を設置できることから、さまざまな配信面で活用されます。
6-5. Vertical
Verticalは、動画専用の広告フォーマットです。
LINE VOOM上では3:4の比率で表示され、動画をタップすると9:16の比率に拡大します。
3:4の比率で表示されているときは広告の上部と下部がすこし削られてしまいますので、広告を作成する際は重要なアイテムを中央に寄せる工夫が必要です。
7. LINE広告で配信できない業種・商材
LINE広告では、業種や扱う商材によっては広告を掲載できない場合があります。
LINE広告で禁止されている業種や商材はLINE広告審査ガイドラインから確認できますので、運用する際には目を通しておくのがおすすめです。
また、上記のガイドラインに掲載されていない業種でも利用規約に違反することもあります。
扱う業種が規約に違反しそうだと思った場合には、一度公式サイトにお問い合わせしてみるといいでしょう。
8. まとめ
この記事では、LINE広告の概要を紹介してきました。
LINE広告はターゲティングの精度はやや低いものの、それを上回るほどユーザーにリーチできる可能性を秘めています。
日本人であればLINEを使っているユーザーが大半です。
国内のユーザーをターゲットにする場合には、LINE広告の運用を検討してみてください。