・企業に向けて商品を売りたい
・法人と取引をしたい
・BtoBマーケティングって、普通のマーケティングと何が違うの?
この記事では、上記のように考えている人に向けて、BtoBマーケティングの基礎知識や実例、導入の手順などについて徹底解説していきます。
これからBtoBマーケティングを導入したいという人はもちろん、すでに取り組み始めているものの上手くいっていないという人にも参考になる記事になっています。
ぜひ最後まで読んでみてください。
1. BtoBマーケティングとは
BtoBマーケティングとは、企業・法人をターゲットにした一連のマーケティング活動を指します。BtoBは「Business to Business」の略称です。
そもそもマーケティングとは、「新しい価値やサービスを生み出し、新しいビジネスへと発展させていく一連の営み」というもの。この作業を法人のために行っていくことこそが「BtoBマーケティング」というわけです。
そして、マーケティングの巨匠であるドラッカー氏いわく、マーケティングの最大の目的は「営業や販売を不要にすること」とのこと。
自分から商品をプロモーションしたり、販売したりすることなく、勝手に商品が売れていく仕組みを作ることがマーケティングの目指すべき姿です。
1-1. BtoBマーケティングにおける「4P」
マーケティングの世界には「4P」と呼ばれるものがあります。
・Product…売れる商品作り
・Price…売れる価格設定
・Place…売れる場所で売る
・Promotion…販促、営業活動
上記の4つの要素を最適化することで、マーケティングの効果を最大限に引き出せます。
そして、このフレームワークをBtoBマーケティングに当てはめると、「法人に向けて売れる商品を作り、売れる価格設定で、売れる場所でプロモーションを行っていく」となります。
ビジネスにおいて、ターゲットが変わると、商品の機能や値段は変わりますよね。それと同じで、商品を企業向けに最適化していく必要があるのです。
1-2. BtoBマーケティングにおけるファネル
ファネルとは、商品の認知から購入に至るまでの流れを図式化したものです。
顧客は、主に以下の図のような流れで購入に至ります。
もちろん、全ての購買行動がファネルの流れで行われるわけではありませんが、商品の認知からスタートし、最終的に購入に至るのは共通しています。
2. BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの違い
BtoBマーケティングに似た言葉に「BtoCマーケティング」という言葉があります。BtoCは「Business to Customer」の略で、個人の顧客をターゲットにしたマーケティングのこと。
要するに、普段私たちが日常の中で行っている消費行動こそが「BtoC」というわけです。たとえば、コンビニで買い物をする際は、コンビニという企業が私たち一般消費者にものを買ってもらうという構造になっています。
そんなBtoCですが、BtoBマーケティングとの違いは何でしょうか?両者の違いを4Pを参照しつつ確認していきましょう。
2-1. 違い①価格
BtoBマーケティングで取り扱う商品は、BtoCに比べて高額なものになることが多いです。
BtoCが食品や機材など、1人でも気軽に利用できる商品を取り扱う一方で、BtoBの場合は以下のようなニッチなものを商品としています。
・ビジネスツール
・管理システム
・コンサルティング
これらの商品は基本的に導入先の企業に合わせて作成するため、大量生産はできません。そのため、一つ一つが非常に高額になってきます。
2-2. 違い②プロモーション方法
BtoBマーケティングでは、少数のターゲットに絞って集中的にプロモーションをする手法が主流です。なぜなら、BtoBは顧客が少なくても、十分に売り上げを作れる戦略だからです。
一方、BtoCのターゲットは個人であるため、できるだけ多くの人に商品を認知してもらう必要があります。そのため、ターゲットは絞りつつも、可能な範囲で最大化を目指していきます。
2-3. 違い③関係の深さ
BtoBは顧客が限定的であるため、その分相手との関係は深くなります。また、後述しますが、顧客にリピーターになってもらうためにも、一社にどれだけ貢献できるかが大切な要素になってきます。
2-4. 違い④意思決定のプロセス
購入までの意思決定プロセスにも違いが見られます。
BtoCの場合、顧客の意思決定プロセスは非常にシンプル。顧客は「これがあったら便利だな」「なくなったから新しいものを買わないと」といったように、日常生活の中で必要に応じて商品を購入します。
また、安価な商品や食品などは、欲しいと思っていなかったのに、センセーショナルな広告を見てつい買ってしまったというケースもあります。
BtoCの場合は、顧客の感情に訴えかける広告や販促がキーになります。買い物をする際、個人は決して合理的な判断をして商品を選んでいるわけではありません。
一方、BtoBの場合、商品購入までのプロセスには多くの人が関わるため、感情に訴えかけるのは効果的ではありません。高額や商品や、企業の売り上げに関わる商材の購入を検討するため、そのプロセスは非常に合理的かつ複雑なものになってきます。
そのため、BtoBマーケティングにおいて大切なのは「客観的なデータ」だといえるでしょう。たとえば商品の実績や効果など、自社の信頼性を示せるデータがあると効果的です。
3. デジタルマーケティングの導入
近年は、マーケティングにデジタル技術を導入する企業が増えています。特に、コロナの流行に伴い、デジタルマーケティングの重要性は増す一方です。そして、この傾向はBtoBマーケティングにおいても例外ではありません。
デジタルマーケティングの効果は侮れません。特に、若者の流行のほとんどはインターネットが起源になっているといっても過言ではないでしょう。
BtoBマーケティングを導入したい企業は、ぜひWEBを利用した販促手法を取り入れてみてください。
以下で、デジタルマーケティングの代表的な手法を2つ紹介します。
3-1. 広告運用
広告運用は、SNSやメディアなどに広告を掲載する方法です。
広告運用は、新聞やテレビCMに比べてコスパが高いのが特徴です。また、PDCAを高速で回すことができるのも嬉しいポイント。ユーザーの反応を見て、広告をすぐに改善できます。
3-2. コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングは、ブログやメディアによる情報発信を通して、企業の信頼度を高めていくという方法です。主に「SEO対策」というものを行い、検索を利用して情報収集をする顧客を捕まえていきます。
4. BtoBマーケティングの流れ
それではここから、BtoBマーケティングの大まかな流れを見ていきましょう。本記事で紹介するのは7つのステップです。
4-1. ニーズ調査
まずは、ターゲットにしたいと考えている顧客や見込み顧客(企業)のニーズを分析していきます。
売り上げというのは、「お金を払ってでも解消したい課題」を解決してあげることで発生するもの。欲しいと感じる顧客がいない商品を作ってもコストの無駄なので、まずは顧客の課題とニーズを掘り下げましょう。
4-2. 商品作り
次に、顧客の課題の解決につながるような商品・商材を作っていきます。
ポイントは、自社の強みを活かした商品を作ること。当たり前ですが、他の企業でも簡単に作れるような商品では、売り上げに繋げられません。会社の色を反映した、「自社だからこそ」という商品を作ることで、独自性を生み出せます。
4-3. リードジェネレーション
商品が開発できたら、リードジェネレーションを行っていきます。
リードジェネレーションとは、作った商品の見込み顧客を集めること。顧客(リード)を生み出す(ジェネレーション)という意味で、リードジェネレーションと呼ばれています。
リードジェネレーションの段階では、様々な手法を用いてマーケティング活動を行っていきます。セミナーや飛び込み営業のようなオフライン施策から、情報発信やデジタル広告のようなオンライン施策まで、効果が期待できるものを片っ端から試していきます。
4-4. リードナーチャリング
顧客との信頼関係を構築することを「リードナーチャリング」と呼びます。主に、企業に対して解決策を提案したり、有益な情報を発信したりしていきます。
BtoBマーケティングは長期戦であるため、いかに長い期間、ターゲットと接点を持ち続けられるかが大変重要な要素になります。
4-5.商談化
ある程度信頼感が蓄積されてきたら、いよいよ売り込みの段階に入ります。
BtoBマーケティングは高額な商品を扱うため、商談化に到るまではある程度の期間が必要です。売り上げをすぐに作ろうと焦らずに、じっくりと関係を構築していくことが大切です。
4-6. 案件受注
商談がまとまったら、いよいよ案件の受注に至ります。ここまできてようやく、新規顧客の獲得です。
4-7. 顧客維持
一度取引をした企業をリピーター化していきます。BtoBの顧客開拓はコストが大きいため、一度関係を持った顧客を手放さないことが重要です。
5. BtoBマーケティングの成功事例
BtoBマーケティングの成功事例を2つ紹介します。
BtoBマーケティングの戦略は企業によって大きく変わるので、成功のための唯一の正解は存在しません。「事例のどの部分が自社に活かせるだろうか?」という目線で、成功事例を分析していくことが効果的だといえます。
5-1. 事例①株式会社ストライク
株式会社ストライクは、創業以来オフラインにおける情報収集に力点をおいてきました。しかしながら、顧客のニーズを分析した結果、「パソコンやスマートフォンで手軽に情報を集めたい」という人が多いという事実を発見しました。
そこでストライクは、オウンドメディアを導入し、オンラインにおける情報発信強化に乗り出します。この戦略は成功し、お問い合わせ数の倍増につながりました。徹底的にニーズを掘り下げたことが、成功につながったといえます。
5-2. 事例②ライオン株式会社
ライオン株式会社は、お問い合わせまでの導線を徹底強化したことで、BtoB向け商品の売り上げを3年間で3.5倍にまで伸ばした実績があります。
ライオンの商品には以前から顧客の関心度は高かったものの、WEBサイトの導線がわかりづらく、ユーザーの離脱率が高い傾向にありました。
デジタルマーケティングにおいては、実行と改善のサイクルを高速で回していくことがなによりも重要です。WEBツールを利用すれば、様々なデータが視覚的にわかるので、細かい改善を繰り返しやすいのです。
5-3. 事例③FunTre株式会社
FunTre株式会社は、世の中で埋もれている本物をWEBマーケティングを使って世の中に発信していく会社です。
クライアントに集客動線を提案し、売り上げが数倍になった企業、書籍の出版が決まった企業、メディアに掲載された企業など多数の事績があります。
また、WEBマーケティングが学べる日本で唯一の専門学校、マーケティングカレッジ(Marketing College:MARC)も運営中です。
YouTube、LINE 、Instagramなどからの集客方法、マーケティングの実践的なテクニックをオンラインで体系的に学べる学校となっており、今注目を集めています。
6. BtoBマーケティングの取り入れ方
「企業向けのビジネスを始めたい」と思っても、社内に専門のBtoBマーケターがいない限りは、いきなり効果的な戦略を立案するのは難しいでしょう。
求人を出して採用活動をするのもいいですが、まずは外部の力を頼ることをおすすめします。今回は、以下の2つの方法を紹介します。
・コンサルタントに外注する
・セミナーに参加する
順番に解説していきます。
6-1. コンサルタントに外注する
1つ目の方法は、外部のコンサルタントに依頼することです。
BtoBマーケティングの専門会社は、戦略の立案から施策の実行まで、マーケティングを一気貫通でサポートしてくれます。ノウハウの蓄積にもつながるので、予算に余裕がある場合はぜひコンサルティングを受けてみましょう。
6-2. セミナーに参加する
社内にマーケティングができる人材を育成したい場合は、セミナーへの参加がおすすめです。
セミナーでは、プロのマーケターから直接、マーケティングのノウハウを学べます。BtoBマーケティングの事業を作りたい場合や、中長期的にマーケティング事業を行っていきたい場合は、セミナーへの参加を検討してみるのがおすすめです。
7. まとめ
ここまで、BtoBマーケティングの基礎知識について解説してきました。
現在は不景気にコロナウイルスの流行が拍車をかけ、企業の存命が難しくなっています。そんな中、企業同士が手を取り合うBtoBマーケティングの重要性が高まってきています。
BtoBマーケティングの導入を検討している企業は、この記事を参考に、ぜひ大きな一歩を踏み出してみてください。みなさんのビジネスが成功することを、心より願っています。