「Webマーケティングに興味があるけど、仕事内容がわかりづらいな。どんなことをしている職業なんだろう?」
Webマーケティングは、プログラマーやライターなどの仕事に比べて、何をしているかがわかりづらい職業です。しかし、Webマーケティングはかなり需要が高い仕事であり、これからも市場価値は伸び続けるでしょう。
この記事では、Webマーケティングの仕事内容や必要なスキルなどの基礎知識を、初心者の人にもわかりやすく解説していきます。
Webマーケティング業界に興味のある人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
1. Webマーケティングの仕事内容
難しそうなイメージを持たれがちなWebマーケティングですが、その仕事内容は大きく分けて2種類しかありません。
- Web広告の運用
- SEO対策
順番に見ていきましょう。
1-1. Web広告の運用
1つ目は、Web上の広告を管理・運用する業務です。
テレビCMや紙媒体の広告に比べて、ユーザーのターゲティングがしやすいことがWeb広告の強みです。
たとえば、バットやグローブをWebで売りたい場合、野球部の中高生をターゲットに絞って広告を配信できます。そのため、格安で気軽に広告の運用ができます。
また、Web広告には、さまざまな種類があります。
- SNS広告
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- YouTube広告
1. SNS広告
TwitterやFacebookなどのSNSに表示される広告です。SNS広告は、ユーザーに製品の存在を認知してもらう目的で利用されることが多いです。
さまざまな種類のSNSがありますが、機能や強み、ユーザーの属性はそれぞれ異なります。訴求したいターゲットに合わせて、適切なSNSを選ぶことがポイントになります。
たとえば、ターゲットが女子高生なのにもかかわらず、Facebookで広告を配信しても効果は薄いですよね。Facebookのメインユーザーは、30~40代のビジネスパーソンだからです。
2. リスティング広告
Googleで検索をした時に、検索結果の上位に表示されるのが「リスティング広告」です。
コンテンツを検索結果の上位に表示するためには、SEO対策という施策に取り組む必要があります。しかし、リスティング広告を使えば、お金を払って上位表示の枠を買い取ることができるのです。
リスティング広告では、ユーザーに広告をクリックされるごとに一定の料金が発生します。「クリック単価」と呼ばれるものですが、この値段が高いものほど上位に表示されるシステムです。
3. ディスプレイ広告
サイトの横や空いたスペースに表示される画像・動画広告を「ディスプレイ広告」と呼びます。
リスティング広告は、検索されたキーワードに対して広告を表示するので、ある程度購買意欲が高まったユーザーをターゲットにします。
対してディスプレイ広告は、まだ商品に興味を持っていない「潜在ユーザー」をターゲティングします。広告が自動表示されるので、能動的ではないユーザーにも商品の訴求ができるのです。
4. YouTube広告
YouTubeに流れる広告です。
テキストや画像に比べて、印象に残りやすいのが動画広告の強みです。動画は視覚と聴覚の2方向から訴求できるため、短時間でユーザーの心に残りやすい広告媒体なのです。
1-2. SEO対策
2つ目は「SEO対策」です。Google検索でクライアントや自社のコンテンツが上位に表示されるように行う施策を、SEO対策と呼びます。
短時間で効果を出すのは難しいものの、継続的な売り上げを立てるのにSEO対策は欠かせません。
リスティング広告は、広告配信をやめてしまえば集客の流れが止まります。一方、SEOには資産性があるので、一度作った集客の仕組みが半永久的に機能します。
たとえば、「クレジットカード おすすめ」という検索結果でコンテンツを上位表示できれば、月に1000万円の売り上げを継続的に作り出せるでしょう。
1. SEO最適化の流れ
SEO対策の流れをシンプルにまとめると、以下のようになります。
- 上位表示を狙うキーワードを決める
- サイトに記事を入れていく
- アクセスを分析して、記事を改善していく
たとえば、オンラインの英会話スクールを訴求したい場合は、「英会話スクール オンライン おすすめ」のようなキーワードで上位を目指してコンテンツを作ります。
2. Webマーケティングに必要なスキル・知識
Webマーケティングは専門スキルですが、難易度は決して高くありません。勉強をしつつ実践を重ねていけば、誰でもWebマーケターになれます。
ここからは、Webマーケティング業務に欠かせないスキルや知識を紹介していきます。どれも後天的に身につけられるものですので、参考にしてみてください。
2-1. 仮説思考
Webマーケティングにとって最も重要なスキルは「仮説思考」です。
仮説思考とは、「現状手元にあるデータから最も可能性の高い仮説を立てて実行し、その結果から得たデータで再び仮説を立てる」思考法のこと。
1. 仮説思考の例
例として、「売り上げ低迷に悩む飲食店」に対して、施策を実行するシチュエーションを考えてみましょう。
- Aさん……内装を豪華にする・広告費を増やす・メニューのクオリティ向上など、効果がありそうな施策を片っ端から実行していく
- Bさん……顧客を分析した結果、外国人の客が多いことが判明。看板に英語を入れたり、洋食のメニューを提供したりしてみて、効果を測定した
Aさんは、仮説を立てることなく、手当たり次第に施策を実行しています。この方法の問題点は、以下の2つです。
- 施策が失敗した時に、原因が分析できない
- 効果が不明瞭な施策にコストを使いすぎている
一方でBさんのやり方は、現状のデータから成果の出そうなポイントを絞って実行しています。もし成果が出なくても最小限のコストで済みますし、失敗の原因が明確なので次の施策にも繋がりやすいです。
2. 失敗を重ねて仮説のクオリティを上げていく
失敗を重ねつつデータを集めていくのが、Webマーケティングの基本的な考え方です。
というのも、格安かつスピーディーに施策を実行・改善できるのが、Webの強みだからです。
失敗により得たデータで仮説を塗り替え続けて、正解に近づけていく。このような思考方法が、Webマーケターには欠かせません。
2-2. データのインプット力
データを分析する能力はもちろん大切ですが、それ以上に「正しくインプットする力」が重要です。
というのも、人間の思考には、かなりバイアス(思い込み、偏見)がかかっています。バイアスはデータの解釈に影響を及ぼし、客観的な正しさを歪めます。
Webマーケターにとって、バイアスを取り除いて、客観的にデータを収集する能力は非常に重要です。
2-3. 心理学の知識
Webマーケターの目標は、ユーザーに「この商品、買いたいな」と思ってもらうことです。
人間の心理を動かすには、心理学の知識が欠かせません。
1. 人間は不合理な生き物
人間は、いつも合理的な判断を下しているわけではありません。論理よりも、感情で行動する生き物です。
たとえば、ダイエット中にラーメンが食べたくなった男性の思考回路を考えてみましょう。
「ラーメン食べたいけど、ダイエット中だしな……でも、明日一食抜けば帳尻が合うかな?最近カロリー控えていたし、一食くらいラーメン食べても太らないよね。そもそも食べたいもの我慢する方が健康に悪いな!よし、今日の昼はラーメンを食べよう!」
ご覧の通り、全く論理的ではありませんよね。
モノを売るためには、人間の感情をいかに揺さぶり、購買意欲を高めるかが重要です。
2. 人間の反応を分析するのがWebマーケティング
極論、Webマーケティングは「人間の反応を分析する仕事」だといえます。
- 仮説を実行した結果、ユーザーはどのような行動を起こしたか?
- どのようなコンテンツを作れば、ユーザーは購入ボタンを押してくれるか?
- どの広告が一番、ユーザーのクリック率が高かったか?
ユーザーの反応を分析して、さらに強い反応を引き出していく。Webマーケティングとは、このサイクルを半永久的に繰り返す営みです。
3. Webマーケティングが必要とされている背景
Webマーケティングは、非常に需要の高い仕事です。その背景には、以下のような状況があります。
- Web広告費は右肩上がり
- Webマーケターが圧倒的に足りていない
- 品質にばかりこだわる企業が多い
3-1. Web広告費は右肩上がり
コロナが流行した2020年、日本の総広告費用は「6兆1594億円」でした。これは、前年比88.8%という壊滅的な数字です。
そんな中で、唯一の成長を見せた領域が「インターネット広告費用」。全体の広告費が88.8%の中、インターネット領域の広告費のみが前年比105.9%という結果になりました。
この結果からわかる通り、Web業界の成長は目覚ましいものがあり、この傾向は今後も続くことが予測されています。
3-2. Webマーケターが圧倒的に足りていない
Web業界の成長はかなり急なものだったため、人材の供給が全く追いついていないのが現状です。
経済産業省の発表によると、2030年にはIT人材が79万人不足するとのこと。IT人材という言葉は、プログラマーやマーケター、Webライターなど、Webに関わる全ての人材を包括的に指しています。
IT人材が足りないことには、以下のような背景があります。
- Webの仕事は独立しやすいので、優秀な人材はすぐに会社を辞めてしまう
- 即戦力を求めている企業が多く、未経験者が育ちづらい
多くの企業にとって、ITスキルを持つ人材は喉から手が出るほど欲しい存在。特にWebママーケターは、どの業界でも必要な人材なので、市場価値が非常に高いです。
3-3. 品質にばかりこだわる企業が多い
品質にばかりこだわって、マーケティングを軽視している企業がとても多いです。
日本の家電業界が良い例でしょう。日本のモノ作りのクオリティは非常に高いものの、マーケティングスキルの高い海外企業よりも売り上げが小さくなっています。
そのような企業をWebマーケティングで支援することには、大きな価値があるといえるでしょう。
4. Webマーケティングとキャリア
Webマーケターとしてのキャリアは、①正社員をしながら副業→②独立、というルートがおすすめです。
というのも、Webマーケティングの業務は、会社でも個人でも変わらないからです。やることは変わらなくても、給料は独立した方がはるかに高くなります。
社員として働き、身につけたスキルを副業に活かして収入を作りましょう。副業の収入が大きくなってきた段階で独立すれば、無理なく軌道に乗れます。
5. まとめ
ここまで、Webマーケティングの仕事内容や、Webマーケターに必要なスキルについて解説してきました。
Webマーケティングスキルは需要も市場価値も非常に高いため、身につけておいて損はありません。
ぜひこの記事を参考に、Webマーケターとしてのキャリアの第一歩を踏み出してみてください。