これから、「LINE」で生活のすべてが完結する時代がくるかもしれません。つまり、LINEは今後、日本最大のビジネスプラットフォームになる可能性があるということです。
そうした中で、みなさんはLINEのビジネス活用が出来ていますか?LINEをビジネスに活用すると効果がある、ということは知ってはいるものの、実際のビジネス活用に必要なLINE公式アカウントの運用についてしっかり出来ているという人は多くはないように見受けられます。
今LINEは、時代に合わせたサービスを展開しようとしています。時代に乗り遅れないためにもどんな機能が追加されているのか、これからどんな展開をしていくのか、をご紹介していきます。
1. LINEアプリの現状
新機能のご紹介の前に、LINEアプリの現状を少しご紹介したいと思います。
今LINEアプリの現状としては、国内の月間8,400万人を超えました。月間アクティブユーザーの中で、毎日LINEアプリを開くユーザーは85%存在します。
つまり、日本人の2人に1人以上が、毎日LINEアプリを使っているといる、「生活インフラ」として定着している、ということを表しています。
LINEアプリは、東日本大震災の時に、災害時のコミュニケーションの手段として生まれました。
そこから広がり約10年経った現在、日本のインフラと呼ばれるレベルにまで成長しました。
さらに、2020年「COVID-19」の影響で、大きく世の中が変化しました。一気に時代のスピードが加速したと言えるでしょう。
オンラインで人と繋がったり、オンラインでビジネスをする、これは少し先のことだと思っていた人も多かったと思いますが、急にビジネスをオンラインに転換しないといけない方が、すごく増えたと思います。
その波に乗れた人は、売上げを伸ばしていると思います。
実際2020年2月から5月で、LINEのビデオ通話の使用率が、全世代で220%もアップしています。
また、5月の自粛期間が終わっても、使用率は大きく下がっていません。
今後は、対面型のコミュニケーション中心の社会から、非対面型のコミュニケーション中心の社会になっていくでしょう。
2. みんなで見る
2020年5月に追加された機能です。
グループ通話で、YouTube鑑賞が出来ます。複数人で画面を共有しながら、会話を楽しむことが可能となります。
3. LINEミーティング
2020年8月に追加された機能です。URLにアクセスするだけで、ビデオ通話が可能となります。時間制限はなく、500人まで無料で利用することが出来て、PCだけでなく、スマホで利用することも可能です。背景の変更といった機能も使うことが出来ます。
使い方は簡単です。
トーク画面で右上のカメラマークをタップ→年齢確認をしてない方はして年齢認証をしてミーティング作成をタップすればミーティングの立ち上げは完了です。
招待をタップして参加してほしい方にURLを転送すれば、ミーティングに招待することができます。
ただ、PCでZoomを繋ぎながら、同時にLINEも開いて、LINEミーティングを行う、というような使い方は出来なくなっているので、注意しましょう。
4. LINEミニアプリ
LINEの中に、ホームページが作成出来る機能です。こちらは2020年7月にリリースされています。現在は、法人のみ利用可能なサービスとなっています。
ホーム画面のサービスにある【すべて見る】を選択すると、LINEミニアプリの画面が開きます。
好きなアプリを開くと、自分のアカウント情報へのアクセス許可を行う画面が表示されます。
許可すると、選択したミニアプリにアクセス出来るようになります。
LINEで表示出来るホームページのような画面を表示することが可能になります。
LINEミニアプリにアクセスすることで、クーポンを取得出来たり、近くにある店舗を検索出来ることに加えて、直接予約をする、といった使い方も出来ます。
上で、簡単にホームページを作成出来る機能と言えるでしょう。
5. LINEコール
公式アカウントへの音声通話、もしくはビデオ通話が出来る機能です。こちらも、2020年7月にリリースされています。
例えば、お気に入りの飲食店のLINE公式アカウントに登録しておけば、直接LINE公式アカウントから電話をして、予約をするといった使い方も可能です。
反対に、LINE公式アカウント側からユーザーに電話をすることも可能です。その為、問合せをLINEコールで受けることも出来ます。
6. LINEで予約
2020年11月にリリースされたLINEの公式アカウントから店舗の予約ができる機能です。
Webサイトや予約フォームにアクセスしなくても、LINEのトーク上で、予約が完了できます。
予約の仕方は、公式アカウントからお知らせを受け取ったユーザーが、予約フォームにアクセスして予約します。
予約サービスと連携できていない公式アカウントには予約することはできません。
7. LINEプレイス
テーマやシチュエーションに合わせて、LINEの中でお店が探せる機能です。
こちらは2021年2月以降に、リリース予定とされています。検索ワードを入れると、検索内容に該当するLINEミニアプリが表示されるイメージです。
さらに、このLINEプレイスの機能で注目すべき点は、LINE Payを組み合わせると、LINEだけで、予約から決済まで全て完了出来るという点です。
8. LINE Pay
LINE Payは、キャッシュレス決済の機能です。現在、非接触が推奨され、キャッシュレス化が加速しています。
LINEでは、LINE Payの普及に向けて、店舗側が支払う導入費用0円、ユーザー側が利用時に支払う決済手数料0円、とする施策を打ち出しています。
さらに、コロナにより大きなダメージを受ける店舗も多い中、その対策として、入金申請無料に加えて、月末締め翌月末入金から、月末締め3営業日入金に変更し、申請してから現金が手元に入るまでの期間を、かなり短縮出来るようになりました。
9. お支払いリクエスト
こちらは、2020年7月にリリースされた機能で、LINE公式アカウントのチャット機能から、LINE Payの決済が可能となるものです。
例えば、LINE公式アカウントに登録しており、セミナーに参加する、といった場面で、LINE Payを使ってセミナーの参加料金を支払ってもらうことが出来ます。
10. 支払いリンク
こちらは、2020年12月にリリースされた機能で、LINE公式アカウントから、簡単に決済リンクが作成出来るものです。
今までは、多くの場合でクレジット会社のサイトにアクセスして、決済リンクを作成する必要がありましたが、LINE公式アカウントの中で、ワンクリックで作成することが出来るようになります。
11. LINE ID パスポート
こちらは、本人確認手続きを、オンラインで完結させる機能です。つまり、LINEの証明があれば、他の登録が不要になるということ意味します。現在、開発中となっています。
例えば、企業でいうと、
・金融
・クラウドソーシング
・エンタメチケットの購入
・飲食店予約
などの利用シーンで、自分の証明を毎回することが不要になります。
また、自治体でいうと、
・証明書発行
・給付金申請
・公共交通機関の利用
・自動車免許証
・公共施設予約
などの利用シーンでも、LINE IDパスポートを使って出来るようになってきます。
12. タイムライン
こちらのタイムライン機能は、今後注目すべき機能の一つだと思います。
今までは「友達と繋がるもの」という位置づけが、強かったと思います。
そのため、自分のタイムライン上で投稿すると、リアルな友達に対して、近況報告が出来たり、そのした投稿に対して、「いいね」を付けてリアクションをする、というような使い方が中心だったと思います。
しかし今後は、コンテンツを拡散するプラットフォームに変わっていくことが予想されます。
つまり、LINEという8400万人いるプラットフォームに、自分のコンテンツを拡散することが出来るということです。
例えば、2020年4月にリリースされた、タイムライン画面にある「ディスカバー」機能は、LINEのタイムライン投稿の中から、人気の投稿やおすすめの投稿が集まっている場所です。
こちらを使うと、自分自身がLINE公式アカウントに登録していなくても、ディスカバーをチェックするだけで、LINE公式アカウントの情報を見ることが出来ます。
また、ディスカバーから、気になったアカウントのフォローや、友だち追加をすることも可能です。フォローをすると、LINE公式アカウントを登録せずに、タイムライン投稿だけを、自分のタイムラインに表示させるようにすることが出来ます。
13. クリエイタープラットフォーム
LINEは、さらに今後「クリエイタープラットフォーム」としての役割に、力を入れていくと、LINEのイベントである「LINE DAY」の中で発表しています。
その施策として、
・分析機能
・収益化機能
・セルフプロモート
・マルチアカウント
の4つを打ち出しています。
13-1. 分析機能
自分自身の投稿に対して、Google Analyticsのように、投稿の分析が出来る機能です。
この機能を使うと、どれくらいのリーチがあり、コンバージョンに繋がっているのか、といったことが分析出来るようになります。
13-2. 収益化機能
タイムラインに投稿した動画に対して、次の動画を再生するまでの間に、CMの動画を流したり、動画の再生中にフッターに広告を表示できる機能です。こうした広告を入れることにより、広告収入を発生させることが出来ます。こちらは、YouTubeの収益をイメージすると、分かりやすいかもしれません。
13-3. セルフプロモート
ターゲットとするユーザーのポストをリーチすることができる機能です。広告を発信する際、細かいターゲット設定が可能になる機能です。こちらは、Facebook広告をイメージすると、分かりやすいかもしれません。
ポストする対象は、友達が100人以上いる場合だと、ターゲットが自動で選定されますが、基本は自分で性別や年齢、住んでいる地域を設定します。
13-4. マルチアカウント
タイムライン上で、複数の公式アカウントが運用可能になる機能です。一度ログアウトして、複数ある違うアカウントでログインし直すといった作業をすることなく、管理画面上で簡単にアカウントの切り替えを行うことが出来るようになります。
この機能を使うと、アカウント毎に世界観を持たせて、情報発信をしている場合などに、切り替えが簡単になることで、管理しやすくなります。
14. SOUNDALLY 音楽配信
SOUNDALLYは、アーティストが登録することで、「LINE MUSIC」をメインに、世界中の音楽配信サービスに自分の楽曲を配信し、広めることが出来る機能です。こちらは、今後提供予定のサービスとなっています。
音楽活動をされている方は、事務所に所属しなくても、自分の楽曲を広めることが出来ます。また、登録料は無料で、SOUNDALLYでの売上げは、全額クリエイターに入るということも注目すべき点と言えるでしょう。
15. LINELIVE VIEWING
LINELIVE VIEWINGは、有料のオンラインライブが出来る機能です。こちらも、今後提供予定のサービスとなっています。
こちらは先行リリースとして、2020年8月22日に、長渕剛さんが、初のLINEライブVIEWINGを開催し、10万人を導入しています。
他にもLIVE関連のコンテンツとして、握手会をLINE上で行う「LINE Face2Face」や、物販をLINE上で行う「LIVEBUY」などが提供予定です。
16. LINE POP MEDIA
こちらは店舗向けの機能となっていて、ビーコンを利用して、店舗に来客した人に、商品情報、クーポン、デジタル整理券を表示する機能です。
こちらは、2020年9月にリリースしています。デジタル整理券は、LIVE会場での整理券の配布などに利用することが出来ます。オンラインとオフラインを繋ぐ機能と言えるでしょう。
17. LINE で応募
誰でも簡単に、LINE上で応募出来る仕組みです。応募結果の発表タイミングといったキャンペーン後のリマインドや、応募状況も確認することが出来ます。
こちらも、2020年9月にリリースしています。
18. LINE ヘルスケア
LINEヘルスケアは、具体的な診察や、薬の処方はできないのですが、症状などに合わせて病院に行くべきかといったことを、LINEのメッセージ上で、医師に相談出来る機能です。こちらは、2020年1月にリリースしています。
19. LINE ドクター
LINEのビデオ通話を使って、診療を受けることが出来るサービスです。こちらは2020年12月にリリースされています。
先ほどご紹介したLINEヘルスケアを組み合わせると、まずはLINEヘルスケアで相談をして、実際の診察はLINEドクターを利用する、といったLINEで決済まで完結する使い方も可能になります。
20. 有名企業とのコラボ
色々な有名企業とのコラボも今後注目したい点と言えるでしょう。いくつかご紹介します。
20-1. UUM株式会社
まず一社目は、UUM株式会社との提携です。ユーチューバーが多く所属している企業で、LINEプラットフォームでのクリエイター提供を予定しています。YouTubeを見なくても、LINEのディスカバリーを見ると、色々なコンテンツが見れることが予想されます。
20-2. 松竹株式会社
2社目は、松竹株式会社との提携です。松竹のリソース提供や、合同でのマーケティング強化を予定しています。LINEのタイムラインを使ったイベントなどが予想されます。
20-3. 出前館
3者目は、出前館との提携です。LINEからの宅配だけでなく、クラウドキッチンなどのサービスを、展開していく予定となっています。
クラウドキッチンは、例えば、東京の有名シェフなどから、レシピと素材を出前館に提供してもらい、それをユーザーに提供するというようなサービスです。
このサービスを利用すると、地域を越えて、一流シェフの味が楽しめるようになります。
20-4. ヤフー株式会社
最後は、ヤフー株式会社との経営統合です。こちらは2021年3月を予定しています。海外に向けた展開なども予想されます。
21. まとめ
いかがでしたか。
今後も、便利な新機能がリリースされていくと思いますが、やはり注目すべき点は、LINEというコミュニケーションツールの中で、キャッシュレス決済や支払いリンクなど、一気通貫で進められる点ではないでしょうか。
コロナ禍だからこそ、お客様とのコミュニケーションを大切にしながら、ビジネスが出来るツールとして、LINEは今後も進化していくのではないかと思います。